「夏といえば」で思い浮かぶ色々な風物詩
四季の変化がはっきりしている日本では、それぞれの季節を感じさせる行事や自然現象、植物や食べ物などが風物詩(ふうぶつし)として愛されてきました。
風物詩を意識することは、7月8月の蒸し暑い日本の夏を少しでも心地よく過ごすためのアイデアにもなっているのです。ここでは「夏といえば」でイメージされる風物詩をジャンル別に取り上げて見ていきましょう。
「夏といえば」でイメージする【行事・イベント】
「夏といえば」でイメージされる風物詩の中から、まずは思い出作りにもぴったりな行事やイベントを見ていきましょう。準備の段階からワクワクする「夏休み」は、「夏といえば」でイメージする風物詩の行事の筆頭として外せません。
7月から8月にかけては、「夏休み」をとって夏フェスや夏祭り、実家への帰省に海外旅行などの計画を立てる人も多いのではないでしょうか。ほかにも「夏といえば」でイメージする風物詩となるイベントを見ていきましょう。
日本の夏の夜空を美しく彩る「花火大会」
7月8月になると、日本各地で開催される花火大会は、まさに夏の風物詩の定番です。
三大花火大会にカウントされている秋田県大仙市の「大曲の花火」、茨城県土浦市の「土浦全国花火競技大会」、そして新潟県長岡市の「長岡まつり大花火大会」などの有名な花火大会では人出も多く、ニュースに取り上げられることもしばしばですね。
コロナ禍で自粛された時期もありましたが、昨年あたりから再開されているところが増えています。
子供から大人まで楽しめる「海水浴」
夏といえば海水浴をイメージする人は、多いのではないでしょうか。3月には沖縄の海開きがニュースになり、7月8月は日本各地にあるビーチの賑わいがメディアに取り上げられることが増えます。
青い空に青い海、そしてまぶしい太陽と、まさに「夏といえば」で連想される風物詩です。友達同士やカップル、子供のいる家族連れと幅広い年代で楽しめる人気のイベントと言えるでしょう。デザイン袖やフリルなどで体型カバーできる水着がトレンドだそうです。
「夏といえば」でイメージする【花】
夏に美しく盛りを迎える花々も、「夏といえば」でイメージする風物詩になっています。
夏の太陽のイメージが重なるヒマワリは、漢字で「向日葵」と書きます。ぎらつく太陽に向かって花を咲かせる様子や鮮やかな黄色が、「夏といえば」でイメージする風物詩にぴったりです。
7月から8月にかけては、ヒマワリを使った迷路も各地でオープンします。花言葉は「私はあなただけを見つめる」「憧れ」です。ほかにも「夏といえば」でイメージされる花を見ていきましょう。
初心者さんでも育てやすい「アサガオ」
「夏といえば」でイメージする花といえば、夏に最盛期を迎えるアサガオも人気があります。朝顔という名の通り、朝に花を開き昼にはしぼんでしまいますが、次々に新しい花を咲かせるので夏の間中楽しめるでしょう。
江戸時代には珍しい朝顔を作り出す交配がブームになったこともありました。元々は青い花を咲かせる朝顔ですが、今では赤や白などのバリエーションも増え、刷毛目絞りのような柄も生まれています。
花言葉は「愛情」「明日もさわやかに」。ガーデニング初心者さんでも育てやすい「夏といえば」の風物詩です。
水底の泥の中から美しい花を咲かせる「ハス」
古来、1年365日を72に分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」という日本独特の暦(こよみ)があります。7月12日から16日の間は「蓮始開(はすはじめてひらく)」と言い、この頃にハスの花が開き始めることを指しています。
水底の泥の中から、ピンクやブルー、イエローのグラデーションが美しい花を咲かせるハスの花言葉は「清らかな心」です。不忍池(東京)や三室戸寺(京都)、モネの池(岐阜)などがハスの名所として知られています。
「夏といえば」でイメージする【食べ物】
続いての「夏といえば」でイメージする風物詩は、食べ物です。風物詩になっている食べ物は、夏に旬を迎えるものや夏の暑さをやわらげてくれるものが中心です。
実は1年中楽しめるそうめんも、「夏といえば」でイメージされる食べ物の1つです。そのイメージは夏の行事としても人気が高い、流しそうめんからきているのかもしれませんね。
夏のそうめんは、冷たいのど越しが最大の魅力。同じように冷たい冷やし中華や冷麺なども、「夏といえば」でイメージされる風物詩と言えるでしょう。
見た目でも涼し気な気分を高める「かき氷」
かき氷は、見た目にも涼しげなので夏の風物詩にぴったり。最近はふわふわした食感でふんわりこんもりと盛りつけたかき氷が人気ですね。
味のバリエーションも、昔ながらのいちごや練乳、宇治金時のほかに、旬のフルーツのシロップや、エスプーマと呼ばれるムースのような泡状のシロップなどおしゃれなものが増えています。
7月8月だけでなく、通年で食べられるようにもなってきましたが、「夏といえば」の風物詩の1つと言えるでしょう。
水分たっぷりで夏気分を盛り上げる「スイカ」
水分たっぷりのスイカも、「夏といえば」でイメージされる風物詩です。北海道のでんすけ、山形の尾花沢すいか、熊本の植木スイカなど、ブランドスイカもいろいろ。
食べ物としてのスイカはもちろん、緑と黒の縞模様や、カットした際の赤い果肉などはデザイン的にも夏らしいイメージを搔き立てます。スイカ割りといった行事も面白い風物詩と言えるでしょう。
1人暮らしの人は、1玉買いは難しいかもしれませんが、カットスイカなどもあるのでぜひ夏の風物詩を味わってみてくださいね。
「夏といえば」でイメージする【生活用品】
続いては、「夏といえば」でイメージする生活用品の風物詩を見ていきましょう。令和の時代となり、ライフスタイルも多様化していますが、それでもなお日本の夏のイメージに結びついている生活用品があります。
その1つが、伝統的な蚊取り線香立てである蚊遣り(かやり)。最近は、電化の蚊取り製品も増えてきていますが、昔ながらの蚊取り線香もまだまだ健在です。
蚊遣りの多くは豚の形をしています。これには諸説ありますが、江戸時代に火災を防ぐ「火伏の神」とされていたイノシシにあやかって豚の形になったとも言われています。昔懐かしい「夏といえば」の風物詩です。
優しい音色で涼を届けてくれる「風鈴」
風に吹かれてチリンチリンと優しく涼やかな音色を聞かせてくれる風鈴も、「夏といえば」でイメージされる風物詩の1つです。
風鈴の由来は、古代中国、唐の時代に政治判断などの占いに使われていた青銅製の鐘「風鐸(ふうたく)」といわれています。
仏教と共に日本に伝わり、最初は魔除けとして吊るされていました。ガラスや陶器、鋳物など、風鈴の素材によっても響く音が異なるので聞き比べてみてくださいね。
夏のおでかけにも着たいおしゃれな「浴衣」
夏祭りや花火大会といった「夏といえば」でイメージされるイベントにもおすすめの浴衣(ゆかた)も、夏の風物詩です。
なんといっても日本の伝統的な衣装であること、普段とはまた違った魅力を表現できることで、人気を集めています。着物に比べて生地が薄いので涼しいこと、手軽に着つけられることもポイントです。
帯も、柔らかくて結びやすい大人向けの兵児帯があるので、ぜひチェックしてみてください。浴衣は俳句でも夏を表わす言葉、季語になっています。
「夏といえば」でイメージする【自然現象】
続いては、「夏といえば」でイメージされる自然現象を見ていきましょう。自然現象が風物詩に?と不思議に思う人もいるかもしれませんが、その季節特有の自然現象は風物詩になるのです。
たとえば、盛夏にぎらつく太陽は「炎帝(えんてい)」と呼ばれて俳句の季語になっています。
同じく季語の「風薫る(かぜかおる)」は、初夏の爽やかな風を示しています。また、青葉の頃に吹く強めの風「青嵐(あおあらし)」は、若々しさや力強さを伝えます。
夏の午後や夕方に激しく降り出す「夕立」
「夏といえば」でイメージされる風物詩と言えば、「夕立(ゆうだち)」もその1つです。梅雨は過ぎているものの、突然の集中豪雨など7月8月は思いのほか雨も降りますよね。
夏のにわか雨を指す言葉には「驟雨(しゅうう)」もあります。日本独特の暦である七十二候でも、八月上旬は「大雨時行(たいうときどきにふる)」となっています。
また、「雷」や「積乱雲」といった自然現象なども「夏といえば」の風物詩になるでしょう。
夜空を見上げて探したくなる「夏の大三角形」
夏の夜空を見上げると、ひときわ輝いて見える「夏の大三角形」も、「夏といえば」でイメージする風物詩です。
「夏の大三角形」とは、白鳥座のデネブ、わし座のアルタイル、そしてこと座のベガという3つの明るい一等星を結んだ大きな三角形のことを指しています。
さらに、アルタイルは七夕でいうところの彦星、ベガは織姫と言われています。今年の夏は、ぜひ星空を眺めてみてください。8月にはペルセウス座流星群も活発に見られそうですよ。
「夏といえば」の素敵な風物詩を楽しもう
風物詩を意識すると、季節の移り変わりをより一層感じられるようになります。イベントなどは思い出作りにぴったりですし、夏の風物詩になっている食べ物やお花などを取り入れると、日々の生活に潤いを与えてくれるでしょう。
夏をイメージさせる言葉は、目上の方などに改まったお手紙を書く際に使う時候の挨拶などにもおすすめです。今年の夏は、「夏といえば」で連想される素敵な風物詩を楽しんでみませんか。
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