実話をベースにしたおすすめの韓国映画
2020年にアカデミー作品賞を受賞した『パラサイト』をはじめ、動画配信サービスでもヒットが続く韓国映画の中には実話をベースにした作品も数多く存在しています。
今回は、ここ10年以内に公開された韓国映画の中から、おすすめの実話作品をピックアップ。衝撃的な事件を題材にした映画をはじめ、ドキドキの犯罪サスペンスや感動の物語など、ジャンル別に見ていきましょう。
おすすめの実話系韓国映画【事件】
いじめが原因の重苦しい青春ノワール映画
まず初めに、おすすめしたい実話をベースにした韓国映画は実際に起こった事件を元にした作品です。
2018年に韓国で公開された『残酷な怪物（괴물들）』は、高校生のいじめが原因で起きた「除草剤飲料水事件」がベースになっています。
いじめられている側もいじめる側も、閉塞した状況の中苦しい展開が続く青春ノワール。見ている間も見終わった後も終始気分が悪くなる、重苦しい韓国映画です。
連続殺人鬼に翻弄される刑事を描く実話系映画
2018年に韓国で公開された『暗数殺人（암수살인）』は、韓国事件をベースにした実話系のクライムサスペンス映画です。
恋人を殺害した罪で逮捕されたカン・テオ（チュ・ジフン）は、取り調べの中で他の殺人も告白します。
全部で7人もの殺したという連続殺人鬼とキム・ヒョンミン刑事（キム・ユンソク）の緊迫したやりとりが見ものです。
テオの目的は何か、死体は本当に見つかるのか、最後まで目が離せません。
最愛の妹を失った兄のリベンジスリラー
2016年に韓国で公開された『あいつだ（그놈이다）』は、韓国発のクライムスリラー映画です。
小さな漁村を舞台に起こった殺人事件を描いた作品ですが、1999年に釜山で実際に起きた実話がベースになっています。
突然殺されてしまった最愛の妹の鎮魂祭「薦度斎(チョンドジェ)」で起きた不思議な出来事がきっかけとなり、兄のリベンジがスタートする復讐劇です。
性犯罪に切り込む実話系クライムスリラー映画
2014年に韓国で公開された『ハン・ゴンジュ 17歳の涙（한공주）』は、2004年の「密陽（ミリャン）女子中学生集団性暴行事件」をベースにした実話系の韓国映画です。
この事件では加害者は誰一人前科もつかず、被害者の女性は警察にも家族にも守ってもらえませんでした。
2017年に韓国で公開されたクライムスリラー映画『マリオネット 私が殺された日（나를기억해）』も、同じ事件をべースにした実話系の作品です。
継母による陰惨なクライムサスペンス映画
2019年に韓国で公開された『幼い依頼人（어린 의뢰인）』は、2013年に起きた「漆谷（チルゴク）継母児童虐待死亡事件」をベースにしています。
この事件は児童虐待事件が多発している韓国でも、陰惨な事件として世間に衝撃を与えました。
10歳の継娘に妹を殺害した罪を着せられた継母と実父は実刑判決を受けています。そうした実話を元に、サスペンス要素も盛り込んでいる作品です。
おすすめの実話系韓国映画【アクション】
突然の内戦勃発に翻弄される大使館員の脱出劇
続いて、おすすめしたい実話を元にした韓国映画はアクションが楽しめる作品です。
重く辛いテーマの作品でもアクション映画には、どこかスッキリできる要素もあります。
2021年に公開された『モガディシュ 脱出までの14日間（모가디슈）』は、1991年のソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちの脱出劇。
命を賭けた決死の脱出を実話ベースに描いた、アクションスリラー系の韓国映画です。
男たちのパワーバランスを描く政治ドラマ
2020年に韓国で公開された『KCIA 南山の部長たち（남산의 부장들）』は事実を元にした、おすすめのスパイ映画です。
登場人物には、それぞれ実在のモデルがいます。1970年代の韓国は独裁的なパク大統領の支配下でした。
KCIAは大統領直結の政府機関でしたが、1979年KCIAのトップが大統領を射殺します。韓国の政治の裏側を描く実話系政治アクションドラマです。
南北朝鮮間で翻弄される実在したスパイの葛藤
2018年に公開された『工作 黒金星と呼ばれた男（공작）』も、実話系のおすすめ韓国映画です。
舞台は、核兵器の導入が明らかになり緊張が高まった1992年の北朝鮮。密かに潜入した韓国の工作員と南北の権力者たちの闘争を描いたアクションドラマです。
実在したスパイ、コードネーム黒金星（ブラックビーナス）は北朝鮮のトップであるキム・ジョンイルとの面会も成功させますが、政治の奔流に飲み込まれていきます。
実話を元に描く韓国警察とマフィアの死闘
2017年に韓国で公開された『犯罪都市（범죄도시）』は、2004年実際に行われた暴力団一掃作戦をベースにした実話系のおすすめアクションクライム映画です。
強力班(強行犯係)の刑事VS中国の新興勢力VS韓国マフィアという、コワモテの三つ巴が繰り広げられます。
強力班刑事をマ・ソンドク、中国の黒竜組のボスをユン・ゲサン、韓国マフィア最大組織のボスをチョ・ジェユンが演じ、話題を呼びました。
朝鮮戦争の明暗を分けた起死回生の作戦
『オペレーション・クロマイト（인천상륙작전）』は、2016年に韓国で公開された戦争アクション映画です。
1950年に勃発した朝鮮戦争において、韓国の起死回生の作戦となった仁川上陸作戦をテーマにしています。
この作戦は、通称・クロマイト作戦と呼ばれ、国連軍の最高司令官を務めたダグラス・マッカーサー（リーアム・ニーソン）が計画しました。
本作は、その準備段階となったスパイ活動も描いています。
おすすめの実話系韓国映画【ドラマ】
韓国を震撼させたショッキングな奴隷化事件
続いておすすめする実話系の韓国映画は、ドラマティックな作品です。
2016年に韓国で公開された『奴隷の島、消えた人々（섬. 사라진 사람들）』は、2014年に起きた「新安（シナン）塩田奴隷事件」をベースにした実話系映画。
天然塩の名産地である離島で発生した大量殺人事件をきっかけに、違法な人身売買や知的障碍者たちの奴隷化が明らかになりました。
ホラー映画的な怖さのある韓国映画です。
ソウルオリンピックの前年に起きた民主抗争
2017年に韓国で公開された『1987、ある闘いの真実（1987）』は、韓国で実際に発生した民主化運動を描いたおすすめ映画です。
ソウルオリンピックを翌年に控えた1987年当時、韓国は軍事政権下にありました。
同年1月の学生運動家朴鍾哲拷問致死事件、続く6月の民主抗争をベースにした実話系映画です。
韓国史上最大の敵に対して立ち上がる民衆の姿をスリリングに描いています。
非常時の韓国を走るタクシーのヒューマンドラマ
『タクシー運転手 約束は海を越えて（택시운전사）』も、2017年に公開された実話系おすすめ映画です。
1980年に起きた「光州事件」が描かれています。
大統領を5期務めた朴正煕の暗殺、軍人上がりの政治家で後に11代12代大統領となる全斗煥によるクーデター、後に15代大統領となる金大中の逮捕など、激動の時代に事件の取材に来たドイツ人記者を乗せて奔走した実在のタクシードライバーが主人公です。
韓国の大統領選挙での裏側を描く実話映画
2018年に韓国で公開された『キングメーカー 大統領を作った男（킹메이커 : 선거판의 여우）』は、1998年から2003年の間第15代大統領を務めた金大中（キム・デジュン）と彼の選挙参謀だった厳昌録（オム·チャンノク）の実話がベースになっています。
選挙に勝つためにどんな汚いこともやってのける参謀の姿は、現在の韓国の選挙にも通じるのかもしれません。
仲間の遺体回収に挑む登山家たちの死闘
2015年に韓国で公開された『ヒマラヤ〜地上8,000メートルの絆〜（히말라야）』は、実在の韓国人登山家オム・ホンギルの実話をベースにしたヒューマンドラマです。
1998年にアジア人として初めてヒマラヤ8000メートル峰の登頂に成功した伝説の登山家は、足の故障が原因で引退します。
その後、遭難死した弟子の遺体回収のためにチームを結成し、記録に残らない史上最も危険な登攀に挑戦するおすすめドラマです。
実話ベースのおすすめ韓国映画を見よう
勢いがある韓国映画の中でも、衝撃的な事件を元にしたおすすめの実話系作品を見てきました。スリルとサスペンスを感じさせる映画もあれば、ホラー的な怖さを感じさせたり歴史の裏側を描いたりする映画も人気です。
辛い事件を扱った実話映画には見終わった後にも胸が苦しくなるような作品もありますが、感動的なドラマもあるのでぜひチェックしてみてくださいね。
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