簡単にできる!鍋の吹きこぼれを防ぐ裏ワザ

鍋から沸騰した水がこぼれ出てしまう「吹きこぼれ」。一度吹きこぼれてしまうと鍋やコンロにも跡がついてしまうこともしばしば。今回はそんな吹きこぼれの防止策と、もし吹きこぼれてしまった場合の対応策をご紹介します。

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ライター

お掃除や料理の代行や片付け、衣類クリーニングなど、皆さまの生活に関わるサポートを「家事のプロ」たちで行っています。仕事の現場で培ったアイデアや情報など、プロのノウハウを皆さま向けに利用しやすくアレンジ、もしくはわかりやすくご紹介します。

鍋から沸騰した水がこぼれ出てしまう「吹きこぼれ」は、料理をする人なら誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

一度吹きこぼれてしまうと鍋やコンロにも跡がついてしまい、なかなか綺麗に落ちないこともしばしば。今回はそんな吹きこぼれの防止策と、もし吹きこぼれてしまった場合の対応策をご紹介します。

そもそもどうして吹きこぼれるの?


たとえば鍋ややかんでお湯を沸かしていると、沸騰してもブクブクと泡が出るだけで吹きこぼれることはありません。

理科の授業でもビーカーに水を入れて「沸騰」を観察しますが、これで吹きこぼれるということはありませんね。経験上、吹きこぼれる時は「料理中」つまり、何かを煮込んでいる時に起こります。一体どうしてなのでしょうか。

単刀直入にいえば、吹きこぼれるかどうかは煮込んでいる食材に、デンプンや脂肪といった物質が含まれているかどうかで決まります。

うどんやパスタのようにデンプンを多く含んでいる食材や牛乳のように脂肪を含んでいる食材を加熱すると、食材から染み出たこれらの成分が液体の表面に薄い膜をつくります。

この膜を、沸騰によって鍋の底に生じた泡が上へ上へと押し上げていくため、膜が鍋の縁に到達すると「吹きこぼれ」になります。

 

 

吹きこぼれを防ぐには?

吹きこぼれのメカニズムはわかりましたが、吹きこぼれが怖いからと言って麺類や牛乳、野菜といったデンプンや脂質を含む食材を食べないわけにはいきません。

また、ずっと鍋のそばに立って見ているというのも効率的ではありません。

ここからは吹きこぼれに悩まされてきた先人たちの知恵や、そこから発明された器具をご紹介します。


 

吹きこぼれ防止器を使う

吹きこぼれがデンプンや脂質の膜を泡が押し上げることで発生することは先ほど説明しましたが、押し上げるのではなく破ればいい、という発想で生まれたのがこの「吹きこぼれ防止器」です。

ブクブクと小さな泡が一斉に膜を押し上げるのではなく、それらの泡をひとつにまとめて大きな泡を作ることで、その泡に膜を突き破らせます。

シンプルな構造をしており、ステンレスやガラス製のものなどが売られています。安価で100円ショップでも多く取り扱われていますが、この器具を使うメリットは吹きこぼれ防止以外にもあります。

ひとつは鍋底の焦げ付き防止です。焦げ付きは鍋の中の液体が一か所にとどまってしまうことにより生じますが、器具の構造上、液体が鍋底を循環するため起きにくくなります。

もうひとつの効果は沸騰による泡の発生により、器具が音を立てることです。そのため鍋をずっと見ていなくても鍋の中の温度に気付きやすくなり、火を弱めるタイミングがわかりやすくなります。

 

身近なものでも吹きこぼれ防止に!


安いとはいえ器具を買ってくるのが面倒という方や、今すぐ吹きこぼれを防ぎたいという方もいるのではないでしょうか。

そんなときは身近なものを使っても吹きこぼれを防ぐことができます。その中でも有名なものが、木べらや菜箸を鍋に乗せるという方法です。

一見信じられないような情報ですが、木べらや菜箸を鍋に乗せておくだけで確かに吹きこぼれは防げます。これは膜を押し上げてきた泡が木べらや菜箸にぶつかって割れるため、膜が鍋の縁を超えることがなくなるためです。

ただしこの方法は浅い鍋では木べらや菜箸そのものが焦げてしまうリスクや、火力が強くて泡の勢いが強すぎると防ぎきれないこともありますので、注意が必要です。

 


木べらや菜箸を持っていない人や、別の料理に使用中という方には「油を入れる」という方法もあります。油を大さじ一杯入れておくと液体の表面に膜が張られにくくなるため、吹きこぼれが起こりにくくなります。

また、そもそも鍋のサイズを大きなものにする、という方法もあります。膜が張られようが泡が押し上げようが、鍋の高さまで達しない限り吹きこぼれることはありません。

大きい鍋を使うと当然、小さい鍋よりは使い終わったあとの洗い物が大変ですが、面倒でない場合は試してみても良い方法です。

 

それでも吹きこぼれてしまったときは


どんなに気を付けていても吹きこぼれてしまうことはありますし、うっかり防止策を忘れたまま煮込んでしまうこともあります。結果として吹きこぼれてしまったときは、素早い対処が重要です。

吹きこぼれを発見したら、まずは火をとめて鍋を別の場所へ移しましょう。火傷をしないように十分に注意してください。コンロの出火部が冷めてきたら重曹をふりかけ湿らせたキッチンペーパーで拭くだけでかなりきれいになります。

また、過去に吹きこぼしてしまった場所が黒く焦げ付いている場合には、汚れた部分に重曹水やクレンザーを多めに塗り、キッチンペーパーで漬けるようにして数十分放置します。

少しずつ汚れが浮いてくるので、ペーパーを外してこすると、焦げ付きもかなり取れるようになります。

 

楽に安全に調理するために!

鍋の吹きこぼれのメカニズムから防止策、もし吹きこぼれてしまった時の対処法を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。思った以上に身近なもので防げるのは驚きですね。

煮物やスープ、パスタや鍋物など、季節を問わず大活躍の鍋。吹きこぼれることが怖くてつい億劫になってしまっていた人も、これらの防止策を覚えておくだけでだいぶ楽になるのではないでしょうか。

 

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