【13選】夏の美しい季語一覧!自然・初夏・夏の終わりをイメージする日本の綺麗な言葉

日本語には夏を表せるおしゃれな言葉が多くあります。特に季節を感じられる季語は俳句などでも使われ、日本語の美しさを感じられます。今回は夏に関する言葉をご紹介。夏に関する言葉を知って、手紙や普段の会話で使い、美しい日本語の趣を感じてみましょう。

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【13選】夏の美しい季語一覧!自然・初夏・夏の終わりをイメージする日本の綺麗な言葉
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mashouse

ライター

家具コンシェルジュ1級を所有し、家具選びのお手伝いやインテリア・フード・ライフスタイルの記事を執筆するライターです。キャンパー・DIY好き・植物マニア・家電オタクでもあります。仕事や趣味で学んだことをいかし、楽しくてちょっと役立つ情報を発信中。

そもそも季語とは?

そもそも季語とは?

夏の美しい季語について知る前に、そもそも季語とはどんなものなのかをチェックしておきましょう。

季語とはどういう意味?

季語とは、俳句や連歌などに使われる季節を表す語句のことです。季語の原型は鎌倉時代にできたといわれており、現在は5,000以上の季語があるとか。

季語の大きな役割は、季節の象徴。例えば大和言葉(日本固有の言葉)でもある「桜」は春の季語で、四月上旬の暖かく美しい光景を連想させます。「桜」という短い季語を使うだけで季節の変化を感じられ、表現に深みが増すのです。

季語は以下のような場面で使用できます。

  • 俳句
  • 連歌
  • 手紙

たとえ俳句を詠む習慣がなくても、季語を知ると手紙や会話における日常表現が豊かになるでしょう。

 

 

日本の夏の美しい自然&天気を表現する季語

日本の夏の美しい自然&天気を表現する季語

まずは、夏の美しい自然や天気に関する季語を紹介しましょう。夏は綺麗な緑が生い茂り、自然が生き生きと育つ季節なので、「生命力がみなぎる様子」をイメージする美しいフレーズが使われます。

また、「水」に関する美しい言葉が多いのも夏の季語の特徴。暑い季節だからこそ、表現を通して少しでも涼をとろうとする日本人の思いが感じられますよね。

それでは美しい自然に関する夏の言葉を知り、日本語の綺麗な表現を味わってみましょう。

 

山が緑で覆われている様子を表す「山滴る」

「山滴る(やましたたる)」とは、山全体が木々などの緑に覆われていて、緑が滴っているように見える美しい様子を表すフレーズ。

元々、山は季節をイメージしやすい言葉で、夏以外にもさまざまな美しいフレーズがあります。例えば、山が花々で明るく色付く様子の「山笑う」は春のフレーズ、紅葉などで山がカラフルに見える「山粧う」は秋のフレーズです。

このように、山という言葉で季節の変化を豊かに表現できます。日本には四季があることに加え、国土の約7割を山地が占めていることも影響しているでしょう。

 

涼を感じられる「滝俗み」

「滝俗み(たきあみ)」は、滝に打たれたり滝を眺めたりして、夏の暑い季節に涼しさを求める季語。

美しい滝は日本各地に存在し、昔から修行場所や観光地として親しまれてきた滝も数多くあります。例えば、栃木県の「華厳の滝」や、和歌山県の「那智の滝」、茨城県の「袋田の滝」などが有名です。

滝の魅力は、涼をとれることだけではありません。美しい流れや力強さは見る者を圧倒し、水が流れる心地よい音は安らぎを感じさせます。

「滝俗み」は、そんな美しい滝の魅力をイメージさせる季語なのです。

 

鮮やかで美しいイメージの「夏の潮」

夏の潮とは、晴れた日に力強く輝く美しい海の水を意味する季語。

梅雨が明けて夏が始まると、海は深みを増した色を見せるようになります。海だけでも美しいものですが、青々とした夏の若葉と同時にイメージすると、一層夏らしさを感じるのではないでしょうか。

似た言葉として挙げられるのが、「青葉潮(あおばじお)」。これは漁師が名付けたとされる言葉で、青葉の頃に太平洋を北上する鮮やかな黒潮を意味します。旬の鰹は、青葉潮とともに北上するのです。

 

日本の夏の気候をイメージできる「南風」

南風は、「みなみかぜ」「みなみ」「なんぷう」といった、さまざまな読み方がある夏の季語。南から吹いてくる夏の季節風を意味します。

冬の北風は乾燥しているのに対し、南風は気温や湿度が高いのが特徴。この言葉を使うと、蒸し暑い日本の夏の様子を端的に表現できます。

「南風」の特徴は、2つ以上の単語を組み合わせた複合語が多いこと。例えば、正面から吹く「正南風(まみなみ)」、強く吹きつける「大南風(だいなんぷう)」、海上で吹く「海南風(かいなんぷう)」などがあります。

 

日本の初夏を表現する美しい季語

日本の初夏を表現する美しい季語

続いては日本の夏にまつわる言葉の中でも、初夏を表す美しい季語を紹介します。初夏は、具体的に5月上旬から6月上旬頃。まだ完全に暑い季節ではなく、春の涼しさが少し残っている時期です。

木々が綺麗に茂り始めて、次第に青々とした自然の風景が広がっていきます。そういった美しい初夏を表すフレーズを手紙のあいさつに添えると、みずみずしい夏の始まりを表現できるはず。

それでは、初夏のイメージを膨らませる美しい季語を見ていきましょう。

 

手紙のあいさつとして使える「立夏」

「立夏(りっか)」は、暦の上での夏の始まりを意味する美しい季語。「立+季節」の形で季節の始まりを意味するので、他の季節は「立春」「立秋」「立冬」と表現します。

「立夏」は、気温や湿度が高すぎないちょうどよい時期。過ごしやすく、屋外でのレジャーも気軽に楽しめます。

また、手紙での時候のあいさつにも使える季語です。5月5日~20日頃に出す手紙の書き出しに「立夏の候」というフレーズをつけて使います。これは、「夏の始まりを感じさせる季節となりました」という意味です。

 

春の終わりを感じられる「夏めく」

「夏めく」の「めく」は、ある状態になることを表すため、「夏の状態になる」という意味になります。気候などが夏らしくなっていくイメージですが、単に「夏になる」と表現するよりも響きとして美しいですよね。

「夏めく」は古くからある大和言葉で、俳句の中では「夏めきて」「夏めくや」といった美しいフレーズが見られます。また、「海が夏めく」「日差しが夏めく」のように、主語とセットにしたフレーズも。

ちなみに、「めく」は他の季節の始まりにも使えるので、「秋めく」「春めく」「冬めく」といった大和言葉の美しい季語もありますよ。

 

浮世絵の題名にも使われている「首夏」

「首」は「始め」を意味するので、「首夏(しゅか)」で夏の始まりという意味になります。既出の「立夏」が「暦の上での夏の始まり」なのに対し、「首夏」は陰暦四月の異称です。和歌の題名では、一般的に「首夏」の方が使われています。

「首夏」は、俳句によく登場する美しい言葉。そして、歌川広重の浮世絵の中にも「池鯉鮒首夏馬市」というフレーズが出てきます。

なお、手紙で使われる「首夏の候」というフレーズは、5月5日頃〜6月4日頃に適したあいさつです。

 

夏の終わりを表現する美しい季語

夏の終わりを表現する美しい季語

続いては日本の夏の季語の中でも、夏の終わりを表す美しい言葉を紹介します。

夏の終わりの具体的な時期は、暑い7月を過ぎた後の8月以降。段々と涼しくなってきて秋が近づくイメージです。また、少し気候も落ち着いて朝晩が涼しくなる日もあり、趣を感じられる季節ともいえるでしょう。夏の終わりに関する季語は、儚い様子や心が静まる様子を表すフレーズとしてよく俳句に登場します。

それでは、夏の終わりをイメージできる美しい季語をチェックしていきましょう。

 

歌詞にも登場する「晩夏」

「晩夏(ばんか)」は、日本の夏の終わりをイメージする美しい季語。俳句だけでなく、日本の歌謡曲の歌詞や題名にも使われています。

時期は、夏の暑い時期を過ぎて少し涼しくなり、過ごしやすくなってきた8月下旬から9月上旬。「立夏」と同じように、手紙では「晩夏の候」という書き出しで使えます。

「晩夏」を活用した美しい言葉として、「晩夏光」をご存知でしょうか。これは、夏の終わりに近づくにつれ、強い太陽の光が衰えていくイメージを表現した季語。少し哀愁が漂うかっこいい季語ですね。

 

あいさつの冒頭文に使える「季夏」

「季夏(きか)」は、暦の上の夏の終わりを表現する美しい季語。「季」は「すえ」つまり「末」でもあるので、「季+夏」で夏の終わりとなります。

また、「季夏の候」という形で、手紙などの冒頭文にも使われる美しい季語です。「夏も終わりに近づいてきましたね」「まもなく秋ですね」といった意味で、8月6日頃の大暑の終わりまで使用されます。

似た言葉は既出の「晩夏」。どちらも美しい言葉ですが、比較すると「季夏」よりも「晩夏」の方が夏を惜しむ気持ちが出ています。

 

夏の終わりを表す季語「涼風」

「涼風(すずかぜ)」は、夏の終わりを表す美しい季語。気圧配置が崩れて吹く風を涼風と呼び、夏の終わりをイメージする季語として俳句などに用いられています。

夏という言葉が含まれていないのに、不思議と夏らしさを感じる季語ですよね。これは、「涼」という文字が暑さの合間に感じる爽やかさを表し、暑さと涼しさの対比で夏を表現しているからでしょう。音の響きや漢字表記としても美しい季語です。

ちなみに、七十二候と呼ばれる季節の分け方の名称の中にも「涼風至(すずかぜいたる)」という美しいフレーズがあります。

 

 

俳句で役立つ夏の美しい季語

俳句で役立つ夏の美しい季語

ここで、夏休みの俳句の宿題に役立つ美しい季語を紹介します。

小学生や中学生の夏休みに俳句の宿題が出ることがありますが、何から始めたらよいのか迷いますよね。そんなときに役立つのが季語の知識です。

冒頭で紹介したように季語は季節の象徴なので、短い言葉なのに俳句に入れるだけで美しい情景や季節の変化を表現できます。

今回は美しい季語の中から、小学生や中学生が使いやすい言葉を選んだので、ぜひ活用してみてくださいね。

 

 

夏を象徴する明るく美しい「ひまわり」

夏を代表する季語の中で、小学生でもイメージしやすいのが「ひまわり」。鮮やかで美しい花を大きく広げ、明るく元気な夏の印象を与えます。

また、ひまわりの背の高さに着目し、夏休み中の成長について表現するのもおすすめです。ひまわりのように背が伸びる妹や、ひまわりのごとくどんどん成長する自分自身など、大きな変化を綺麗なひまわりで表現してみましょう。

ちなみに、漢字で「向日葵」と表現するのは、太陽に合わせて花の向きを変えるのが由来だとか。

 

昼の時間が長い「夏至」

「夏至(げし)」は、「夏に至る」という表現通り、1年で最も昼の時間が長い日のこと。特定の日に設定されているのではなく、年によってさまざまです。

田植えの時期と重なるのであまり行事は多くありませんが、地域によっては行事食やイベントでお祝いすることがあります。

「夏至」という表現を聞いたことはあっても、具体的にどんなものか知らない子供もいますよね。俳句をきっかけに「夏至」について知り、日本の気候に興味を持ってもらいましょう。

 

夏休みの終わりを意識する「夏の夜」

「夏の夜(なつのよ)」とは、日中の暑さのピークが過ぎて、過ごしやすくなる夜のこと。新しい季節の訪れを予感させる美しい季語です。ずっと暑い日が続いた後の涼しい夜は、心地よさや落ち着きといった感情が湧いてくることでしょう。

また、涼しさの到来は心地よさと同時に、夏の終わりでもありますよね。まもなく終わる夏休みに、名残惜しさや切なさを感じることもあるでしょう。「夏の夜」を使った俳句を考えながら、夏の思い出に浸ってみてくださいね。

 

夏の季語をイメージする美しい名前

夏の季語をイメージする美しい名前

最後に夏の季語をイメージする美しい名前を紹介します。

名前の付け方はさまざまで、必ずしも季節を表す言葉を入れるとは限りませんが、季節を表現することで生まれた日のことを思い出すきっかけになりますよね。また、生まれる季節や環境、気候は子供の気質に影響するという考え方もあり、季節をイメージする名前は「その子らしさ」の表現にもなるでしょう。

それでは、具体的にどのような美しい名前があるのか見ていきましょう。

 

夏を感じさせる男の子の名前

まず、男の子向けの美しい名前です。

男の子の名前の例

  • 葵(あおい)…6月の季語であり、大和言葉
  • 文斗(ふみと)…7月の旧暦の呼び方「文月」から
  • 太陽(たいよう)…季語ではないが夏をイメージ
  • 陽太(ようた、はるた)…太陽の明るいイメージ
  • 海翔(かいと)…夏の海のイメージ
  • 航洋(こうよう)…夏の海と船をイメージ
  • 風涼(ふうすけ)…季語「涼風」をイメージ

「海」「太陽」をイメージする元気な名前や「風」を入れた涼しい名前には、明るい夏の雰囲気が漂っていますね。

 

夏を感じさせる女の子の名前

続いて、女の子向けの季語をイメージした美しい名前です。

女の子の名前の例

  • 皐月(さつき)…5月の旧暦の呼び方であり、夏の大和言葉
  • 早苗(さな)…6月の季語「早苗(さなえ)」から
  • 紅花(べにか)…6月の季語「紅の花」から
  • 小夏(こなつ)…6月の季語
  • 蓮花(れんか)…7月の季語「蓮の花」から
  • 夏海(なつみ)…夏の季語「夏の海」から
  • 夏帆(かほ)…夏の海に帆を張った船を浮かべるイメージ

「海」「夏」といった文字も美しいですが、夏の「花」をイメージした名前も綺麗ですね。

 

日本の夏に関する美しい季語はたくさんある

夏の美しい季語についてさまざまな角度から紹介してきましたが、これ以外にも季節の表現はまだまだあります。

新しい言葉やフレーズをすぐに使いこなすのは困難ですので、まずは意味を確認して繰り返し使い、表現に慣れることが大切です。

また、初めて季語を選ぶときは、無理をしないこともポイント。イメージしやすい言葉や聞いたことがあるフレーズから始めて、少しずつ語彙力を高めていきましょう。

紹介したような日本の夏に関する美しい季語を覚えて、日常会話や手紙などで使ってみてくださいね。

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