花の和名とは
花の和名と言っても、あまりピンとこない人もいるのではないでしょうか。さまざまな植物の和名をご紹介する前に、和名の基本的なことをおさらいしておきましょう。
意外と知らない植物の名称について解説していきます。
そもそも和名って何?
和名とは植物や生物に付けられる日本語の名前のこと。主に漢字で表記されます。ラテン語で付けられた「学名」はどの国でも共通する1つだけの名前であるのに対し、和名は「通称名」「別名」とも呼ばれるとおり、1つとは限りません。
その地域だけで呼ばれているような和名もあり、一般的には通じないものも。何種類もの和名を持つ植物も存在し、また、いくつかの植物が1つの同じ和名で呼ばれていることもあります。
標準和名・種名との違い
「標準和名」とは学術的な分類のために、そのまま使われている和名のこと。和名が漢字のものでも、標準和名として使う際にはカタカナで表記されます。ラテン語表記の「学名」は日本人に馴染みにくいため、研究の場などでは日本語の標準和名が多く使われるというわけです。
「種名」とは同種類の植物や生物の種に付けられた名前のこと。種名の中で全世界共通の名を学名、日本語で付けられる名を和名と言います。
春(3〜5月)に咲く花の和名一覧
ここでは春(3〜5月)に咲く花や植物の和名をご紹介します。下記はそれぞれの月の誕生花です。生まれ月の人はチェックしてみてくださいね。
- 3月・・・チューリップ「鬱金香(ウッコンコウ)」
- 4月・・・アストロメリア「百合水仙(ユリズイセン)」
- 5月・・・カーネーション「麝香撫子(ジャコウナデシコ)」
ジャスミン「素馨(ソケイ)」
ジャスミンの和名は素馨(ソケイ)です。ジャスミンは1種類を指すのではなく、世界中に約300種以上あるモクセイ科ソケイ属の総称。
身近なところでいうと、ジャスミン茶などにも使われる茉莉花(マリカ)という種はよく知られています。
日本では女の子に「茉莉」と名付けることも。「愛らしさ」という花言葉からも、赤ちゃんと花の可愛さがリンクしていますね。
パンジー「胡蝶菫(コチョウスミレ)」
パンジーは和名でいうと胡蝶菫(コチョウスミレ)と言い、遊蝶花(ユウチョウカ)や人面草(ジンメンソウ)という別名で呼ばれることも。
名前の由来は、花びらが蝶のように舞うさまに似ているところから付けられました。
パンジーは花の色で花言葉が異なり、黄色は「つつましい幸せ」、紫色は「思慮深い」などとされています。
同じ花でも意味合いが異なるのは面白いですね。
ハナミズキ「花水木(ハナミズキ)」
ハナミズキの和名は、漢字そのまま花水木(ハナミズキ)。開花時期は4月下旬~5月上旬です。
1912年に日本がアメリカに寄贈した桜の返礼にと、アメリカ大統領からハナミズキが贈られました。日米親善交流の証という想いも込められています。
英語では『dogwood(ドッグウッド)』という別名も。
「私の想いを受けとめてください」という花言葉があり、まっすぐで綺麗な花というイメージです。
カーネーション「麝香撫子(ジャコウナデシコ)」
母の日でおなじみのカーネーションには、麝香撫子(ジャコウナデシコ)という和名が付いています。難しい漢字なので初めて見る人も多いのでは?
カーネーションの花言葉は色の種類によって異なり、赤は「母への愛」、ピンクは「熱愛」、白は「純粋な愛」などがあります。
カーネーションを贈る際は、花言葉に沿って色で決めてみるのもよいですね。
アマリリス「咬吧水仙(ジャガタラスイセン)」
アマリリスの和名は「咬吧水仙(ジャガタラスイセン)」。そのほか、「金山慈姑(キンザンジコ)」「紅筋山慈姑(ベニスジサンジコ)」などの別名もあり、品種により分類されています。
暑さに強く初心者でも育てやすいアマリリスは、華やかな見た目が特徴。「素敵」「誇り」などの花言葉を持っています。
ラナンキュラス「金鳳花(キンポウゲ)」
ラナンキュラスには「金鳳花(キンポウゲ)」「花金鳳花(ハナキンポウゲ)」という和名が付けられています。花が黄金に輝いて見えることが和名の由来。
黄色・ピンク・青紫・赤など、種類豊富な色で春を感じさせてくれる可愛い花です。ラナンキュラスの花言葉は「とても魅力的」。好きな人に贈りたくなる、素敵な花言葉です。
夏(6〜8月)に咲く花の和名一覧
ここでは夏(6〜8月)に咲く花や植物の和名をご紹介します。下記はそれぞれの月の誕生花です。夏の季節によく似合う色とりどりの花が揃っています。
- 6月・・・バラ「薔薇(バラ)」
- 7月・・・ブーゲンビリア「九重葛(ココノエカズラ)」
- 8月・・・ヒマワリ「向日葵(ヒマワリ)」
エーデルワイス「花薄雪草(ハヤチネウスユキソウ)」
エーデルワイスの和名は「花薄雪草(ハヤチネウスユキソウ)」。高山に生育する美しい植物です。うっすらと雪がかかったように見えるところからこの別名が付けられました。
「西洋薄雪草(セイヨウウスユキソウ)」という別名もあり、暑い夏には眺めているだけで涼しくなれそう。
可愛い見た目ですが、「忍耐」「勇気」など頼もしい花言葉を持っています。
ダリア「天竺牡丹(テンジクボタン)」
ダリアの和名は漢字四文字の「天竺牡丹(テンジクボタン)」。植物の形が牡丹の花のように見えることが由来です。「天竺」とはインドを指し、ダリアがインドから持ち込まれたことも由来のひとつだとか。
長年品種改良が行われているダリアは、可愛いものからかっこいいものまでさまざまな種類があります。
ダリアの花言葉は「感謝」や「華麗」。美しい花を咲かせるダリアにぴったりですね。
ヒマワリ「向日葵(ヒマワリ)」
ヒマワリの和名は、漢字表記で「向日葵(ヒマワリ)」。太陽の動きと共に花の向きが変わることが名前の由来になっています。
ヒマワリの花言葉は、大きさや色の種類によってもさまざま。
大輪のヒマワリは「偽りの愛」、紫のヒマワリは「悲哀」などマイナスイメージを持つものもあります。
大切な方へ贈る際にはチェックしてみてください。
サルビア「緋衣草(ヒゴロモソウ)」
サルビアには緋衣草(ヒゴロモソウ)という和名が付いています。地方公共団体の指定植物とされていることも多いサルビアは、街中でよく見かけることも多いのでは?
サルビアの花言葉は「知恵」や「家族愛」。赤いサルビアは「燃える思い」という情熱的な花言葉を持っているので、贈る相手は限定的になりそうです。
ヘメロカリス「忘れ草(ワスレグサ)」
ヘメロカリスの和名は「忘れ草(ワスレグサ)」。「野萱草(ノカンゾウ)」という別名も付いています。鮮やかなオレンジ色の花が夏にぴったりです。
和名の由来はいくつかあり、「1日だけで花がしおれてしまうから」「綺麗な花を見ていると嫌なことを忘れられるから」などと言われています。
小さくて可愛い紫色の花をつける「勿忘草(ワスレナグサ)」とは、まったく別の植物です。
プルメリア「インド素馨(インドソケイ)」
プルメリアには「インド素馨」という和名が付けられています。ハワイアンジュエリーのデザインとしてもよく使われ、南国を思わせる綺麗な花が特徴です。
花言葉は「陽だまり」「情熱」などのパワーあふれるものから、「内気な乙女」「上品」といったおしとやかなイメージの言葉までさまざま。記念日のプレゼントにもおすすめの花です。
秋(9〜11月)に咲く花の和名一覧
ここでは秋(9〜11月)に咲く花や植物の和名をご紹介します。下記はそれぞれの月の誕生花です。気候が少しずつ涼しくなる秋には、切なさを連想させる植物もたくさん。季節の移ろいを感じられる秋の花の和名を見ていきましょう。
- 9月・・・リンドウ「竜胆(リンドウ)」
- 10月・・・ガーベラ「花車(ハナグルマ)」
- 11月・・・シクラメン「篝火花(カガリビバナ)・豚の饅頭(ブタノマンジュウ)」
ガーベラ「大千本槍(オオセンボンヤリ)」
ガーベラの和名は(オオセンボンヤリ)。
もともと日本に自生している千本槍という花に似ていることが名前の由来になっています。
赤・ピンク・黄色など色とりどりの花の色が特徴的。花の形や種類も豊富です。
花言葉は「前進」や「希望」。大千本槍というかっこいい和名に相応しい前向きな花言葉ですね。
キンモクセイ「金木犀(キンモクセイ)」
秋の風物詩ともいえるキンモクセイは、和名もそのまま「金木犀(キンモクセイ)」。香りが強いキンモクセイは、芳香剤の香料としてもよく使われています。
原木の白い花をつける銀木犀に対し、橙黄色の花をつけることが名前の由来。
中国や日本ではリキュールやお茶などにも使われ、香りやさわやかな味わいが楽しまれています。
クレマチス「鉄線(テッセン)」
クレマチスの和名は「鉄線(テッセン)」。鉄線のように強いつるを持つことが名前の由来です。アジアやヨーロッパが原産のクレマチスは、凛としたかっこいい風貌が特徴。
花言葉も「美しい精神」と、日本の清く美しい精神に通じるようなイメージです。
どこか哀愁漂う秋の風景にマッチした、風情ある植物ですね。
コスモス「秋桜(コスモス)」
秋の花の代名詞とも言えるコスモスの和名は「秋桜(コスモス)」。秋の桜という漢字が美しいですね。秋に桜の花弁に似た花を咲かせることが由来となっています。
ピンク・赤・黒など色の種類豊富なコスモスは、咲き方や花言葉もいろいろ。
ピンクは「乙女の純潔」、赤は「乙女の愛情」、黒は「移り変わらぬ気持ち」など、ピュアな気持ちを表現する可愛い意味合いが多いようです。
ネリネ「姫彼岸花(ヒメヒガンバナ)」
ネリネには「姫彼岸花(ヒメヒガンバナ)」という可愛い和名が付けられています。秋によく目にする彼岸花と同じヒガンバナ科の植物。別名「ダイヤモンドリリー」とも呼ばれ、花がキラキラと輝いて見えることが由来です。
ネリネは「また会う日を楽しみに」という素敵な花言葉を持っています。少し切ない秋の季節によく似合う花言葉ですね。
リンドウ「竜胆(リンドウ)」
リンドウの和名は「竜胆(リンドウ)」。中国で「龍胆(リュウタン)」と呼ばれていた名の音読みが、由来とされています。薬草として重宝されてきたリンドウですが、茎や根が竜の肝ほどの苦さを持つことから名付けられました。
「胃病み草(イヤミグサ)」という変わった別名で呼ばれることも。胃痛を治す薬草としても使われたことが由来です。
花言葉は「正義感」や「勝利」など。日本では昔から人々の病気を治してきたため、このような花言葉が付けられたと言われています。
冬(12〜2月)に咲く花の和名一覧
ここでは冬(12〜2月)に咲く花や植物の和名をご紹介します。下記はそれぞれの月の誕生花です。寒い冬の季節には、パキッとした鮮やかな色の植物がたくさんあります。寒空の下、たくましく育つ冬の花の和名を見ていきましょう。
- 12月・・・カトレア「日の出蘭(ヒノデラン)」
- 1月・・・シンビジウム「寒蘭(カンラン)」
- 2月・・・フリージア「浅黄水仙(アサギスイセン)」
ポインセチア「猩猩木(ショウジョウボク)」
冬のクリスマスシーズンによく見るポインセチアには、「猩猩木(ショウジョウボク)」という和名が付いています。
猩猩(ショウジョウ)とは、お酒好きで赤い体毛をもつ中国の伝説上の生物。猩猩と同じように真っ赤な苞を生やすことが和名の由来となったようです。
欧米では「クリスマスフラワー」というおしゃれな別名でも呼ばれています。
カメリア「海柘榴(ツバキ)」
カメリアの和名は「海柘榴(ツバキ)」。漢字の異なる「椿」と同じ花です。
カメリアは色の種類によって花言葉が異なり、赤は「気取らない優美さ」、ピンクは「控えめな美」を意味します。
一方、西洋での花言葉は「完璧」や「敬愛」などとされており、見方も国によって異なるようです。
綺麗な花ですが、最後にポトッと花が落ちることから、日本ではお見舞いにはタブーとされています。
ウメ「香散見草(カザミグサ)」
ウメの和名は「香散見草(カザミグサ)」。そのほか「風待草(カゼマチグサ)」や「初名草(ハツナグサ)」など、さまざまな別名を持っています。
例年1月~2月ごろには、寒紅梅という種類の梅が咲くことが有名。ウメには「気品」「高潔」などの花言葉があります。
ウメは初春の季語として俳句にも使われ、いろいろな別名が付けられるほど、日本人に親しまれてきました。
シクラメン「篝火草(カガリビソウ)」
「篝火草(カガリビソウ)」という別名を持つシクラメンは、かがり火を焚いているような花の姿が名前の由来とされています。
シクラメンは「はにかみ」や「内気」などの花言葉を持ち、下を向きながら花を咲かせる姿が由来しているようです。
日本では「シク」という響きが「死苦」を連想させるとして、お見舞いなどにはタブーとされているので注意しましょう。
マーガレット「木春菊(モクシュンギク)」
マーガレットの和名は「木春菊(モクシュンギク)」。春菊のような若葉をつけることが由来となっています。「パリ・デージー」という別名を持ち、また、デンマークの国花としても知られています。
マーガレットの花言葉は「心に秘めた愛」。ギリシャ神話では「誠実」や「安らぎ」をイメージする花とされていますが、本数によっては「不安」や「絶望」などネガティブな意味合いになります。
カランコエ「紅弁慶(ベニベンケイ)」
カランコエの和名は「紅弁慶(ベニベンケイ)」。カランコエには「カランコエ・ウェンディ」「カランコエ・ピナータ」など、可愛い名前のついたさまざまな花の種類があります。
カランコエの花言葉は「おおらかな心」「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」など。どれもハッピーなイメージがあり、笑顔になれる花言葉ですね。
花の和名にちなんだ男の子&女の子の名前アイデア
最後にご紹介するのは、花の和名にちなんだ赤ちゃんの名前のアイデア。さまざまな花の種類の漢字を使った名前を、男女別に集めました。かっこいい漢字を使ったものや音の響きが可愛いものまで、参考にしてみてくださいね。
かっこいい男の子の名前
- 桜太郎(おうたろう)
- 桃真(とうま)
- 蓮(れん)
- 葵斗(あおと)
- 桔平(きっぺい)
- 柊矢(しゅうや)
男の子の名前には、かっこいいイメージの漢字がよく使われます。「蓮」という漢字はそのまま一文字で使うのも人気。「桜」や「桃」の漢字は、男らしい文字と組み合わせるのがおすすめです。
涼しげな花を咲かせる桔梗(キキョウ)の「桔」やクールな「柊」は、漢字二文字で名付ける場合が多いようです。
可愛い女の子の名前
- 桃
- 杏(あんず・あん)
- 向日葵(ひまわり・ひまり)
- 葵
- 楓
- リリ
女の子の名前には可愛いイメージの漢字が人気。王道の「桃」や「桜」のほか、「杏」や「葵」などもよく使われています。
生まれた季節の花にちなんだ名付け方も人気で、夏生まれの「向日葵」や秋生まれの「楓」なども可愛いですね。百合を英語にした『lily』から取った「リリ」のように、花の英名から付けるのもおしゃれです。
花の和名は日本らしさを感じる名前がたくさん!
今回は花の和名を一覧でご紹介しましたが、いかがでしたか?花にはさまざまな種類の和名や別名があり、漢字にもいろいろな由来が存在しました。花はぞれぞれ花言葉を持っていますが、色の種類や本数などによって意味が変わる場合もあります。
綺麗な和名やかっこいい花の漢字は、赤ちゃんの名付けにもおすすめ。見慣れた花でも日本語の和名に注目してみると、また違った楽しみ方ができます。
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