儚くも美しい二字熟語
最初にご紹介するのは、儚い雰囲気をもつ二字熟語。日本語特有の綺麗な響きや趣を感じられる言葉を5つピックアップしました。日頃あまり耳にしない二字熟語もありますが、意味を知ると奥深いものがたくさん。
儚い雰囲気の二字熟語は、知っているだけで女性らしさがアップするかもしれません。美しい漢字の連なりを楽しんでください。
夢幻(むげん)
「夢幻(むげん)」は字の通り、夢やまぼろしのこと。儚いものの例えとしても用いられる二字熟語です。漢字を見るだけで、儚い情景が頭に思い浮かぶのではないでしょうか。「夢幻の空間」「夢幻と消えてしまった」というように、実体のないものを説明する際に使われます。
儚い様子を例える類語としては「徒桜(あだざくら)」という言葉も。散っていく桜の花びらの様子から、儚いものを例えるときに使われます。覚えてみてくださいね。
久遠(くおん)
「久遠(くおん)」とは、今の状況から見て遠い過去や遠い未来、または「永遠」を意味する二字熟語。漢字を見ても分かるとおり、長く久しい・遠い状態を表す仏教的な言い方です。
果てしなくどこまでも続くイメージをもつ「久遠」は、「久遠の愛」「久遠の友情」のように使えます。「きゅうえん」と読まれる場合も。類義語には「永遠」や「不滅」といった言葉がありますが、「久遠」という漢字は意味とは反対に、儚さを連想させます。
玲瓏(れいろう)
「玲瓏(れいろう)」とは「透き通るように美しく輝く様子」を表した言葉。また、玉などが澄んだ音で綺麗に鳴る様子を表現しています。美しい響きが儚さをイメージさせますね。
ものや人の見た目、音を形容する言葉として用いられることが多い「玲瓏」。「月のように玲瓏たる美しさ」「遠くで鐘の音が玲瓏と響いている」というように使います。この言葉を入れた「八面玲瓏」は、どこから見ても美しい様子や誰とでも上手に付き合える人を表す四字熟語です。
花筏(はないかだ)
「花筏(はないかだ)」とは、水面に散って浮かんだ桜の花びらを筏(いかだ)と想定した様子を表した言葉。桜の終わりの季節、川面に花筏が浮かぶ景色はなんだか儚さを感じさせます。
「月ありて 浮藻のごとし 花筏(吉野義子)」というように、晩春の季語として俳句にも多用されるこの言葉。満開の桜が華やかに咲いている様子から一転、散っていく桜にどこか寂しさを感じるのは、日本人ならではの感情と言えるのかもしれません。
光芒(こうぼう)