中学生におすすめの小説をご紹介!
中学生のみなさんは、日頃どんな本を読んでいるでしょうか。小説を読んでみたいけれど、どの小説がいいのかわからない、小説を読んで読書感想文を書くことになったけれど、何を選んだらいいかわからない、人気作品が色々ありすぎて何から読んでいいかわからない。そんな中学生のみなさんに、おすすめの小説をピックアップしてみました。
中学生のうちに見聞を広げるために読んでおくといいノンフィクション小説、想像力や語彙力を深めるのに最適なファンタジー小説、中学生のみずみずしい感性を刺激するような恋愛・青春小説の3ジャンルに分けてありますので、気になるものがあればぜひ、チェックしてみてくださいね。
中学生におすすめの小説《ノンフィクション》
「多様性」について考えるきっかけに
2019年の出版以来、瞬く間に話題となった大人気小説。
英国のとある街、「元・底辺中学校」に通う息子の日常を、パンクな「母ちゃん」の目線から描いたノンフィクション作品です。
人種差別、ジェンダー問題、貧富の差やアイデンティティ。
小さな街の公立学校で日々巻き起こる世界の縮図のような問題に日々ぶち当たりながらも、中学生の息子は悩みながらも子どもらしい柔軟な感性で問題に向き合っていく。
「多様性」とは何か、を考える初めの一歩に最適な、読みやすい語り口の作品です。
真っ直ぐにぶつかり合う、福祉のリアル
障害者は、ワガママ言ってはいけないの?健常者は、障害者に優しくしないといけないの?
正しく、美しく描かれがちな障害者福祉の世界を、とことんリアルに、時に息苦しくなるくらい鮮明に描いたノンフィクション小説です。
重度の筋ジストロフィー患者であり、究極の自由を求める鹿野靖明さんと、そんな彼に振り回されながらも彼の真っ直ぐさに惹かれていく、様々な立場のボランティアたちとの「戦い」とも言える介助の日々が綴られています。
中学生が普通の生活だけではなかなか知り得ない世界を描き、映画化もされた人気作品です。
「絶対無理」に立ち向かえ!痛快ノンフィクション
「ビリギャル」の愛称で人気を博し、映画化もされたノンフィクション小説です。
小4程度の学力しかなかった高2のギャル・さやかが、塾講師坪田や友人と助け合いながら慶応義塾大学入学を目指すストーリー。
中学生にも身近な話題である受験の話がベースなので、興味を持ちやすい内容ではないかと思います。
「勝つ」ためのやり方は、ひとつじゃない
東京大学合格者数1位の超進学校・開成高校の運動部って、どんな環境だと思いますか?
練習時間も設備も不十分、フツーにやってたら勝てるわけがない。秀才たちが勝つためにたどり着いた作戦とは?
秀才ならでは(?)の解決策が面白いです。
根性や熱血が語られがちなスポーツ系小説とは一線を画す、常識に縛られず、自分たちならどうするか、何ができるか考えることの大切さを教えてくれるノンフィクション作品です。
部活をする中学生でも感情移入しやすい内容です。
歴史を同世代の目線から学ぶ
1942年、ユダヤ人少女・アンネがユダヤ人弾圧下に書いた日記です。
戦争やユダヤ人への迫害がいかに残酷なことか、アンネの目を通して知ることができます。
ノンフィクション小説ならではの、切迫した状況となんてことない日常の折り重なり合いに、逆に緊張感を持たせます。
アンネが日記を書いていたのも13歳から15歳なので、ちょうど中学生と同じ年代です。
同年代の子が当時どんな体験をしてきたのか、世界的に有名な本書で学んでみてはいかがでしょうか。中学生の読書感想文の課題作としても定番の人気作品です。
中学生におすすめの小説《ファンタジー》
このまま変わらない?今日から変わる?
なんとなく「成功」したいけど、どうしたらいいかわからないという中学生におすすめ。
普通のサラリーマンである「僕」の前に現れたのは、怪しい関西弁を喋る「神様」、ガネーシャ。
「僕」の人生を変えるためにガネーシャが提示する課題は、「トイレ掃除をする」や「腹八分に抑える」といった、決して一つ一つは難しくない、中学生にだってできること。
内容は大人向けですが、読みやすく面白い文章なので、中学生にもおすすめできる人気小説です。
「自分」とは何なのか?自己崩壊の恐怖に直面
拳銃で撃たれ、3週間も昏睡状態にあった成瀬純一が目覚めるところから物語が始まります。
奇跡的に命は助かり、穏やかな日々がまた続いていくと思われたが、日を追うごとに、嗜好が変わって行ったり、今までの自分の感覚とは異なる違和感が増えていく。
穏やかだった性格は攻撃的になり、恋愛も以前と同じにはできなくなってしまった。
自分自身が崩壊していくのを止められない恐怖と、この先どうなっていくかの興味で、ページを繰る手を止めさせません。
ファンタジーというよりはミステリー好きの中学生におすすめの小説です。
やり残したことは、ありますか?
突然の事故で死んでしまった少年ハリーが、死後の世界で友達になったアーサーと共に、「やり残したこと」を探しに「生者の国」へ戻ってくる。
人間の生死が描かれた作品ではありますが、登場人物や死後の世界の設定がユーモラスに描かれているので、楽しく読み進めることができます。
自分や周りの人の生死についても考え始める中学生の時期に、一度読んでおきたいおすすめの大人気ファンタジー小説です。
内容や、使われている言葉は難しいものではなく、スラスラと読めるので、読書感想文が苦手な中学生にもおすすめな小説と言えます。
非日常だけどリアルな人間模様が面白い
言わずと知れた世界中で大人気のファンタジー小説。
魔法使いの少年ハリー・ポッターの魔法学校での生活を中心として、仲間との冒険を通して成長していくシリーズ作です。
第一巻では11歳のハリーも、巻が進むごとに年齢も上がっていくので、ちょうど中学生だと同世代の子のお話として楽しむことができます。
魔法世界のファンタジーの中にも、恋愛や青春小説の要素も入ってくるので、ファンタジーだけでは現実感がなくて苦手、という中学生にもおすすめです。
知識があることが、幸せなのか?
こちらも1959年に発表されて以来、人気が続くファンタジー小説です。
知的障害を持つチャーリィは、知能指数が上がるという脳手術を受けることに。
術後、知能指数は飛躍的に向上するのですが、今までチャーリィには見えていなかったものが見え始めます。
知能を持つことの意味が、残酷なまでに鋭く描写されています。学ぶことの意味や目的について考え始める中学生に、ぜひおすすめしたい1冊です。
こちらも中学生の読書感想文の課題図書として定番の小説です。
中学生におすすめの小説《恋愛・青春》
タイトルに反して、爽やかで美しい青春小説
人付き合いが苦手で、友達もほとんどいない「僕」が主人公の恋愛・青春小説。
ある日病院の待合室で、同じ学校の人気者のクラスメイト、山内桜良が書いた「共病文庫」という本を見つけます。
そこで桜良が膵臓の病気で余命が残りわずかであることを知ります。
明るくわがままな桜良に振り回されながらも、桜良の「死ぬ前にやりたいことリスト」に付き合う僕。
人付き合いが苦手だった「僕」と桜良が関わることで、互いに成長していく姿、そして衝撃的なタイトルの意味に、涙が止まらなくなるかもしれません。
映画化もされた大人気小説です。
タイトルの意味がわかった時、さらに面白くなる
人とのコミュニケーションは苦手だが、下宿先のアパートは本で埋め尽くされ、大学院で言語学を専攻するほど「言葉」に対して興味を持ち、鋭い感性を持っていた馬締光也(まじめ みつや)。
勤める出版社・玄武書房で国語辞典「大渡海」を刊行するメンバーの一人となり、クセのある同僚とともに辞書編纂に没頭していく姿が描かれます。
辞書編纂という特殊な仕事を、まるで擬似体験しているかのような気持ちになれるのが面白い。
中学生が普段使っている「国語辞典」がどうやって出来ているのかを知ることができる点でも、おすすめです。
桐島は、出てこない?
男子バレー部のキャプテンであり、人気者の桐島が部活をやめることをきっかけに、同級生たちの日常に些細な変化が起きていく青春小説。
大人にとってはなんてことない些細な出来事も、高校生にとっては一つ一つが大きく、鮮烈なことに感じたりする。
人気者と、そうでない者のクラス内格差、「スクールカースト」の存在を世に定着させた作品ではないでしょうか。
そんな短く輝かしい中学生や高校生時代の、その時にしか感じられない甘酸っぱいような体験を分かち合える小説となっています。
普通の人間の中に、悪人がいる
明治の文豪の作品の中で、今もなお人気を博し続けている小説の一つが、夏目漱石の青春小説、「こころ」。
語り手である「私」と「先生」の交流を描いたものですが、恋愛や友情などと一言では表せないような、人間の感情を深く見つめる作品でもあります。
中学生もまた、これまで感じたことのないような複雑な感情に困惑する時期であると思いますので、この小説を読んで読書感想文にするのもおすすめです。
また、明治や大正時代の人々の生活や考え方も垣間見ることができるので、近代史の勉強としても中学生におすすめの内容と言えます。
中学生におすすめの小説のまとめ
いかがでしたでしょうか。子供から大人への途中段階にある中学生だからこそ、その繊細な感性で読んで欲しいおすすめ小説を集めました。
特にノンフィクション小説のジャンルでは、これから社会や世界に出ていく中学生の皆さんに、普段の生活だけでは体験できないような、さまざまな実情を知ってもらいたい、という観点からおすすめの小説を選びました。
また、今回選んだ小説の中には、映像化もされた人気作も多く含まれています。まだ読書の習慣がなく、抵抗のある人は映像作品を見た後に小説を読んでみるのも、理解が深まっておすすめです。中学生の皆さんの読書ライフが実りあるものになりますように。
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