おすすめの文芸誌をご紹介!
様々な選択肢がある本の世界。今回はその中のひとつのジャンルである『文芸誌』がテーマです。普段から小説やエッセイなどを読んでいても、『文芸誌』は1度も読んだことがないと言う方も多いはず。
若い方は特にハードルを高く感じてしまいがちですが、実は文芸誌は活字を楽しむための魅力がたっぷり詰まっているんですよ!文芸誌の歴史や魅力ポイント、おすすめ文芸誌の特徴などをご紹介します。
「文芸誌」とは?
『文芸誌』と聞くと、「なんだか難しそう」「ご年配の方が読む雑誌」といったイメージがありませんか?そもそも、『文芸誌』とは一体どんな内容なのでしょうか。
いきなり文芸誌を買って読んでみるのもいいですが、まずは未知の世界でもある『文芸誌』の歴史や内容、魅力ポイントなどを知ることからはじめましょう。
文芸誌について知れば知るほど、その魅力の深さにハマるはず。根強い文芸誌ファンが多いことにも納得です◎
文芸誌について①歴史
文芸誌は雑誌の一種で、小説や詩、随筆などの作品が掲載された月刊雑誌または季刊雑誌のことを指します。
その歴史は古く、1995年に創られた「我楽多文庫」や「女学雑誌」などが、日本に置ける文芸誌最初期のものと言われています。
文芸誌が商業的に安定的しはじめたのは20世紀はじめ頃から。
当初は純文学を発表する媒体として発刊されていましたが、時代の流れとともに大衆文学などの読んで楽しいエンターテイメント性のある作品も積極的に扱われています。
文芸誌について②内容
文芸誌は”文学”を扱っている雑誌ですが、大きく2つの系統に分けることができます。まず1つ目は文芸誌の王道でもある”純文学”。
純文学の定義は、芸術性を目的としている文学のことで、文章の美しさや人の心の多様性に触れることができます。そしてもう1つは”大衆文学”。
純文学とは違い、娯楽性重視の大衆文学は、起承転結のストーリーがしっかり捉えられるのが特徴。ワクワクドキドキしながら読み進められる作品が多く、文芸誌初心者向けともいえます。
文芸誌について③魅力ポイント
文芸誌の最大の魅力ポイントは、1冊で複数の作家さん&様々な作風の小説を読めること。
有名なベストセラー作家さんが連載を持っていることも多く、ハードカバーなどで出版される前の最新作を先に読むことができるというスペシャル感があります。
また、のちに文学賞を受賞するような新人作家さんの魅力的な作品にいち早く触れらるのも文芸誌だからこそ!
小説だけに限らず、エッセイや対談、漫画などを扱っている文芸誌も多数あり、文学の楽しさが濃縮されてています。
文芸誌について④どんな人におすすめ?
たくさんの作品に触れられる読み応えたっぷりな文芸誌は、活字が大好きな人におすすめしたい雑誌です。
また、小説の選択肢がマンネリ化してしまった人にもおすすめ。
有名作家から若手の作家まで様々な作風の作品を扱っている文芸誌は、普段は手に取らないようなジャンルや作風に出会うきっかけになり、新たな世界を開拓できるチャンスになります。
そして、将来作家になりたい方にもおすすめ。作風、言葉、文章の書き方など、たくさんのことが学べます◎
おすすめ文芸誌10選《純文学》
まずは文芸誌の始まりとも言える、純文学系を掲載する文芸誌に注目してみましょう。
本屋さんの文芸誌コーナーには、表紙に文字がいっぱいの文芸誌がずらりと並んでいて、ファッション雑誌とは異なる雰囲気が漂っています。
その中でも《新潮》、《文學界》、《群像》、《すばる》、《文藝》この5誌は、純文学系文芸誌の中で”5大文芸誌”と呼ばれており、有名な作家を生み出しています。
文芸誌それぞれが主催する新人賞も毎年注目を集めていますよ!この5大文芸誌の違いや特徴についてご紹介します。
おすすめ文芸誌①新潮
歴史と伝統を誇る文芸誌といえば、新潮社が発行している月刊《新潮》。
1904年創刊に創刊されたことによって、それまで新聞が主な媒体だった日本文学が、文芸誌へと移行するきっかけにもなった雑誌です。
“新潮新人賞”を主催する他、有名な”川端康成文学賞”や”三島由紀夫賞”などの発表も行なっています。
新人からベテラン作家まで、幅広い作品を扱っているところが特徴で、初めての文芸誌としてもおすすめの雑誌です!
おすすめ文芸誌②文學界
人気の高さで文芸誌を選ぶなら、文藝春秋が発行している月刊《文學界》がおすすめ。
純文学系文芸誌を代表する1誌と言っても過言ではないほど、圧倒的な発行部数を誇っており、純文学の登竜門とも呼ばれている”文學界新人賞”を主催しています。
文芸誌に詳しくない方でも耳にしたことのある「芥川賞」受賞作は、この《文學界》で扱われた作品が多数あるのも特徴のひとつ。
お笑い芸人のピース・又吉直樹さんの「火花」も掲載されていた文芸誌です。
おすすめ文芸誌③群像
日本の大手出版社・講談社が発行している月刊《群像》は、第2次世界大戦終結の翌年1946年に創刊された文芸誌で、講談社の中でも一番歴史の長い雑誌です。
“群像新人賞”は村上龍さんや村上春樹さんなどの有名作家を輩出しています。さらに小説部門だけでなく、評論部門も設置されてます。
評論家の発掘にも貢献しているのが、他の文芸誌との違いでもあり、特徴ともいえます。純文学の作品や連載に加え、詩や評論など、読み応えのあるおすすめ文芸誌です。
おすすめ文芸誌④すばる
集英社から発行されている文芸誌《すばる》は、1970年の創刊当時は季刊誌でしたが、1976年に隔月、1979年からは月刊となり、毎月読める文芸誌になりました。
小説がメインではありますが、エッセイや対談、さらには批評家へのインタビューによって、文学についての様々な知識を得られるのが特徴です。
純文学の新人賞として”すばる文学賞”を主催。芥川賞を受賞した金原ひとみさんの「蛇にピアス」は、この”すばる文学賞”を受賞しています。
おすすめ文芸誌⑤文藝
自由なスタイルの作品を楽しむなら、河出書房新社より発刊されている季刊誌《文藝》がおすすめです。
文学の”いま”を伝えることをテーマに掲げた文芸誌のため、文芸界に新たな風を吹き込む若手作家を多く輩出している雑誌です。
主催している”文藝賞”では、白岩玄さんの「野ブタ。をプロデュース」や、山崎ナオコーラさんの「人のセックスを笑うな」といった、のちに映像化される作品が選ばれています。
純文学のお堅いイメージのハードルがググッと下がる、おすすめ文芸誌です。
おすすめ文芸誌10選《大衆文学》
続いて、大衆文学系を扱うおすすめの文芸誌をご紹介します。起承転結のある大衆文学は、文芸誌初心者でも読みやすいのが純文学との違いであり、最大の特徴でもあります。
エンタメ性たっぷりな作風の小説や読み切り、エッセイなどが多く掲載されています。
大衆文学系の文芸誌には、人気俳優を表紙に起用している雑誌もあり、若い方でも気負いなく手に取ることができますよ。
文芸誌に興味を持ったなら、まず大衆文学系の雑誌から読み始めてみるのもおすすめです◎
おすすめ文芸誌⑥オール讀物
文藝春秋が発刊している純文学系の文芸誌《文學界》と対をなしているのが、大衆文学系の文芸誌《オール讀物》。
水彩画のようなほんわか優しいイラストの表紙が特徴です。大衆文学作品に与えられる”直木三十五賞(通称:直木賞)”を発表する雑誌としても有名。
特に時代小説やミステリー小説が好きな方におすすめの文芸誌です。対談や漫画、さらには有名な作家さんの連載もたくさん扱われており、エンタメ性&お得感たっぷりな雑誌ですよ!
おすすめ文芸誌⑦小説現代
今までは連載が中心の文芸誌の王道スタイルだった講談社発刊の《小説現代》は、2020年にリニューアル復刊を機にブラッシュアップされ、長編小説の一挙掲載や短編、エッセイやコラムなど、毎号読み切れる作品がメインとなりました。
人気俳優が表紙になっている月もあり、本屋で思わず目が止まる文芸誌でもあります。
ほとんどの作品が読み切りで読めることが売りの雑誌なので、大衆文学系の文芸誌とはどんな内容なのか興味を持った方が、手始めに読んでみる1冊としてもおすすめです!
おすすめ文芸誌⑧小説新潮
新潮社から発刊されている文芸誌《小説新潮》は、旬の作家の旬の作品を扱う文芸誌として人気です。
ファンタジーからミステリーまで、幅広い小説を扱っています。掲載されている作品は正統派の小説家の作品に限らず、人気アイドルやお笑い芸人の連載やコラムも多いのが特徴です。
堅いイメージだった文芸誌が身近に感じられる、おすすめの雑誌。”日本ファンタジーノベル大賞”など、文芸賞の発表の場としても注目されています。
おすすめ文芸誌⑨小説すばる
通称”小すば”と呼ばれる集英社発刊の《小説すばる》は、若い女性からの人気も高い文芸誌です。
今後の活躍に期待したい若手から実力派まで、注目作家の新作を扱っているのが特徴です。
「桐島、部活やめるってよ」の作者・朝井リョウさんや、「オロロ畑でつかまえて」の作者・萩原浩さんなど多くの直木賞作家を輩出しています。
時代小説から恋愛小説、エッセイ&フォトなど盛りだくさんな大満足な内容で、1度読んだら再度読みたくなる文芸誌です。
おすすめ文芸誌⑩小説宝石
光文社発刊の《小説宝石》は、注目作家の小説を読み切りを中心として掲載しています。
推理や時代、ミステリーや恋愛まで、バラエティ溢れる掲載内容で、小説エンターテイメントのトレンドをリードする小説雑誌として人気です。
特に宮部みゆきさんや東野圭吾さんといったミステリー&サスペンスのファンからも支持されている雑誌。
赤川次郎さんの「三毛猫ホームズシリーズ」など、数々のベストセラー小説を生み出しています◎
おすすめの文芸誌まとめ
意外と知られていない、魅力たっぷりな『文芸誌』についてご紹介しました。文芸誌について知ることで、今まで持っていた文芸誌のイメージがくつがえされたのではないでしょうか。
1冊でたくさんの作風に触れられる文芸誌は、いいことづくめの雑誌です。今までは近寄ることのなかった書店の文芸誌のコーナーにぜひ足を運んでみてください。
1度読んだら、文芸誌の魅力にハマること間違いなしですよ♪
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