今回は、M男診断チェック《特徴と性質》についてお話しします。
時には、懐の大きなかっこいい男性に見えるかもしれない「M気質」。
まだ、付き合いが浅くて相手のことをよく知らないうちだとM気質かどうか判断がしづらいと思います。
そこで、M気質の特性と、M気質かどうかの診断チェックについて、ご案内します。
M気質とは
定義
M気質とは、masochism(マゾヒズム)の頭文字をとった心理学用語で、異性に痛めつけられたり、いじめられたり、虐待されることによって喜びを覚える性質とされています。
対義的資質としてsadism(サディズム)があり、こちらは相手を痛めつけたり、いじめたり、攻撃することで満足する性質とされています。
本来の意味合いは狭義で性的な倒錯の一種を表す用語でしたが、今は一般的な性格を表す時にも使われています。
そんな中で、それぞれの解釈や説明で定義も少しずつ変わってきているようで、M気質は「かまわれたい人、奉仕の精神がある人・相手を尊重する人・されることに喜びを得る人」、S気質が「かまいたい人・主導権を握りたい人・征服欲を満たしたい人・支配的な人」と位置付けられてきているようです。
分類
ただし、人間はこのカテゴライズに単純に分類されるような簡単な存在ではなく、1人の人間の中にこれらの相反する気質を併せ持っていたりするので、やっかいです。
それはつまり、場面や状況に応じて、同じ人間がS気質を示したり、M気質を示したりすることがあるということです。
特に通常の人間関係においての性格と、セックス時における性格が正反対になるということはよくあることです。
例えば、普段はみんなをよくリードしたり、支配力があったりする人が、性的な場面においては受け身になりマゾ的にふるまうなどです。
ノーマルタイプの人が、そういうタイプの人と初めて遭遇すると最初は混乱してしまうでしょう。
そのため、単純にMかそうでないかという分類にはならず、普段の性格がS気質かM気質かに加えて、性的場面でのSかMかの判断を加えたストレートなMと、反転のMという分類も加わります。
基本的なM気質の特徴
通常時でのM気質の特徴
礼儀正しく、優しい印象の持ち主です。性格として、とても謙虚で人当たりもよく、けなげで温和。
自分自身にはストイックでも、他者に攻撃的にふるまうことを嫌います。
頼まれると嫌と言えないお人よしなところがあり、さらに依存的な態度や優柔不断な面もあり、状況に流されやすい傾向にあります。
M気質になるMの考え方・深層心理
では、どうしてM気質のような性格が生まれるのでしょう?M気質を形成する考え方や深層心理について説明します。
M気質の人は一方的に支配され、虐げられているという状況に喜びを見出し、快感を覚えます。
だからといって、M気質の人は痛みを感じないとか、苦痛に鈍感というワケではありません。むしろその逆で繊細な感覚で痛みや苦しみ、屈辱や哀しみを最大限に感じ取ります。
人間は耐えきれない苦痛を感受した時、センサーが壊れてしまわないように自分を麻痺させる自己防衛機能が働きます。
身体的機能で言えば、セロトニンの分泌、脳内モルヒネと呼ばれるエンドルフィンの分泌、気絶などがあげられます。
また、精神的防衛機能では痛みや苦痛を何かの代償ととらえることで、逆に痛みや苦痛を享受できるようになるという状態を作り出します。
あるいは、その困難を受けているのは本当の自分ではなく、そういう悲劇の主人公を演じていると自己催眠をかけるのです。
苦痛を和らげるためのそれらの自己防衛機能は一種の快感のため、やがて逆にそれがクセになり、快感を得るためにわざとつらい状況を選択するという、おかしな方向性に進む人が出てきます。それがM気質の人たち。
攻撃的な態度でいるよりも受動的な態度で、甘んじてつらい状況を受け入れた方が肉体的にも精神的にも楽になるという経験が、ルーチンとして体に記憶されてしまった状態なのです。
通常の感覚から考えると不思議に思えますが、「悲劇の主人公になりきって、役を演じることを楽しんでいる」と想像してみてください。
案外納得できる部分もあるのではないでしょうか?というのも、そもそもS気質、M気質などは血液型のような分類と違って、人の性格や考え方のクセを表す言葉であって、各人それぞれみんなが多少なりとも持ち合わせているものなのです。
朗らかな性格、暗い性格と言っても、人間には誰しも朗らかな部分と暗い部分があるので、「朗らかな性格」と言われる人がいつでも朗らかな部分だけではないように、S気質、M気質も、その時々のシチュエーションによって変わってくることもあるということを認識しておきましょう。
日本人はM気質?
日本人の国民性は「忍耐」や「自己犠牲」を美徳とするような文化的背景があります。
それがM的思考回路を生み出す温床としての機能を発揮しているのです。
現代の日本では薄れてしまっていますが、「滅私奉公」という価値観も公然と述べられて、かつてはM気質を持った人を育成するような環境もありました。
一見それは、支配者層が自分たちに都合のいい人間を増やすために取り入れたシステムかのように思えますよね。
でも、実はそうではなくて、支配される側が、自分の立場を合理化するために、そのような姿勢がいいことだという価値観を作り上げたという解釈もあるのです。
いいか悪いかの判断はさておき、日本人の多くは、例えば「人の役に立つ仕事がしたいです」というような、自分の存在意義を他者に依存した価値観を持っていると言えるでしょう。
具体的M気質の性質
奉仕的・献身的
いろいろな著述により、S気質とM気質の説明がごちゃごちゃになり、よくわからない状態になっていますが、はっきりとしていることは、M気質は「自分が相手からプレッシャーを受けることに喜びを見出す性質」ということです。
曖昧になってしまう間違いワードとして「M気質は受け身」という説明がありますが、これはちょっと誤解される表現です。
M気質には相手が喜ぶことなら無償で奉仕したいという性質があるので、黙ってされるがままというばかりではなく、積極的に何かをするということもあるのです。
例えば、Hシーンで説明すると、S気質である女王様に「靴をおなめ」と言われれば、嬉々として靴を舐めますし、言われなくても、相手が望んでいると察するとその行動に出ます。
つまり、受動的な性質でありつつも、ただ相手からされるがままなのではなく、相手への奉仕的行動は進んで行うという特性もあるのです。
受動的で抑圧的
「他者の喜びが我が喜び」という聖人君子のような人柄がM気質。自分の要望よりも相手の要望を優先させ、自分の身の振り方さえも相手にゆだねてしまう性質があります。
M気質ではない人にとって、M気質の人というのは大変都合のいい存在になるでしょう。
嫌なことや大変なことを気持ちよく引き受けてくれる上に、自らそうすることが正しいことと信じているのですから、あれこれ理屈を言って、こちらの希望を通す必要がありません。
依存的傾向
M気質の人は、自分の事に関して何かを決定するという場面においては依存的です。
主体的に自分の希望を通すことよりも、自分が奉仕するものからの決定に大人しく従う存在です。
それだけですと、受動的という範囲ですが、さらに、その支配や抑圧が無ければ自分の存在を保っていられないという精神状態にまで至るのがM気質の人の傾向です。
「依存的」という言葉ですと何もかも相手に委ねるというイメージがあるのですが、お世話する方とされる方という意味においてはお世話をする方で、依存的ではありません。
依存という言葉よりも、従順、奴隷的、主体性の無さという表現の方がぴったりあてはまります。
自分の存在価値を他者の評価に委ねるという意味において依存的なのです。
強い承認欲求を持っているという意味で、心理的な他者依存する人を「マゾヒスティック・パーソナリティ」と呼びます。
謙虚
控えめで謙虚というのもM気質の特性です。あからさまに自分の働きをアピールすることはありませんし、見返りを求めることもありません。
縁の下で働くことを苦とはしませんが、自分の行動によって相手が喜んでいるということが分かりづらいとやる気を失うこともあります。
ただ、中にはM気質でも上記のように依存心が強いタイプは、自分の行動を承認してもらいたいというタイプもいます。
打たれ強さ
M気質は実は肉体的にも精神的にも打たれ強い人間が持つ特性です。
大人しく従順なところから、弱い人間のように思いがちですが、黙って人に従えるというのは、かなり強靭な精神力が必要です。
さらに、肉体的にも痛みに耐性があるので、Mとなりえるのです。M属性のキャラクターを持つマッチョマンというのはありがちな設定ですよね。
打たれ強いので、仕事上などでは「怒られ上手」でもあります。言い訳よりも先に「申し訳ありませんでした。」という言葉を自然に言えるので、上司や同僚から愛される存在でしょう。
また、プライベートでは、パートナーがガミガミ、イライラと怒っていても穏やかに受け止める懐の大きな部分があります。
自虐性
いじめられたり、ひどい扱いを受けることによって快感を得ることができる性質があるので、ひどい言葉で罵られたり、叩かれたり屈辱的なことをさせられたりしたいと望んでいます。
ソクラテスの妻はひどい悪妻だったと評判なのですが、そういう妻と喜んで結婚生活を送っていたソクラテスは真性のM気質だったのかもしれませんね。
執拗性・一途
M気質は執着というかこだわりやマイルールを持つタイプが多く、飽きっぽいS気質と対をなしています。
自分を厳格なルールでしばりストイックであることにより、常にストレスを持つ状態に自分をさらします。
まるで自分で自分にパワハラやモラハラを行っている状態です。
M男診断チェック
人間は誰しもS気質、M気質を持ち合わせているので、ほんの少しそれらの片鱗を見たとしても、すぐに「Sだ」「Mにちがいない」などと断定することはできません。
でも、複数の疑要素がある場合は、もしかしたらそうかもしれないと、覚悟する必要があるかもしれません。
けれども、M気質の場合は、暴力的ではないし、根本的にとても優しい人なので、S気質の彼より警戒することはないでしょう。
むしろ、M男と判明したら、ラッキー!大切にしてあげてください。
チェック問診
Q1
「叩かれたりしても怒ることはない」
Q2
「人と目を合わせるのが苦手で、目が合うとつい視線をそらしてしまいたくなる」
Q3
「何を食べたいか聞かれたら、何でもいいと答えてしまう。」
Q4
「人から何かしてもらった時、『ありがとう』より『すみません』と謝ってしまう。」
Q5
「尊敬したり、神聖視したりしている人物やキャラクターがいる」
Q6
「人と集まっている時に、その場の空気が悪かったり、盛り上がらなかったりした時、いたたまれず自分が何とかしないといけないと思ってしまう」
Q7
「マメなところがあり、気が利くので人から好かれている」
Q8
「礼儀正しい人と言われる」
Q9
「ツンデレな態度にすると喜ぶ」
Q10
「二面性があると言われる」
診断結果
○が1~3
普通の人で、たまたまM気質が出ている時です。経過観察してみてください。なお、この問診の答えが全部×だったとしても、S気質ということではありません。あくまでM気質ではないということです。
○が4~6
かなりMっ気がある男性でしょう。普段Mっぽく見えないのに、○がついたとするならば、無理して普通を装っている可能性もあります。
○が7~10
ドM認定していいレベルです。初めからM気質が見えている相手を選んだとするなら、あなたはなかなか賢いでしょう。
案外、M男の方がいざという時に頼りになったり、あなたを献身的に支えてくれたりしてかけがえのない存在になります。
まとめ
M気質の男性というのは実はとても素晴らしいのですね。彼氏に選ぶならSっ気のあるタイプより、むしろM気質の人がおすすめとも言えます。
女性は、強くリードしてくれる男性に惹かれてしまいがちですが、長い目で見ると、大きく受け止めて癒してくれる男性の方が本当の意味で女性をうまくリードしてくれる存在と言えるのではないでしょうか?
もし、自分の彼にM気質がありそうでも、引いてしまわずに一緒に楽しんでみてください。
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