きっと貴方もハマるおすすめのSF小説。日本・海外まで読みやすい名作が勢揃い

Science Fictionの略語であるSFは、科学的な空想が取り入れられた作品を指します。SF小説には価値観の転倒による驚き(センス・オブ・ワンダー)が必要とされます。ここではおすすめのSF小説を日本と海外に分けて見ていきましょう。

公開日:

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

きっと貴方もハマるおすすめのSF小説。日本・海外まで読みやすい名作が勢揃い
アバター画像

Sayang

ライター

イギリス人の夫と息子二人の四人家族です。動物好きで、犬と猫も飼っています。趣味は読書。インテリアやファッション、アートや文学など美しいものに心惹かれます。

幅広いテーマがあるおすすめのSF小説

英語のScience Fiction(サイエンスフィクション)の略語であるSFは、科学的な空想が取り入れられた作品を指します。近未来、宇宙、異世界とサブジャンルやテーマが幅広いことが特徴です。

三大SF作家の1人であるアイザック・アシモフによれば、SF小説には価値観の転倒による驚き(センス・オブ・ワンダー)が必要とされます。

ここではおすすめのSF小説を日本と海外に分けて見ていきましょう。

おすすめのSF小説《日本》

現代に重なる視点が恐ろしい日本初のSF小説

まずは、日本人作家によるSF小説からおすすめしていきましょう。

日本で初めての長編SF小説とされている作品は、1958年に発表された『第四間氷期(安部公房)』です。

作中に登場する「万能の電子頭脳」は、まさに現在のAI。

ほかにも、海面上昇による人間の水中生活や、妊娠中絶した胎児を水中人間化する方法など、現代の生活に地続きの「未来」が嫌な雰囲気で描かれています。


 

 

日本SFの金字塔のようなおすすめSF小説

日本のSF小説の父とも称される小松左京。いくつもの傑作がありますが、今回おすすめしたいのは『果てしなき流れの果てに』です。

共にマッド・サイエンティストと称される2人の大学教授が見つけた奇妙な砂時計をきっかけに、物語は時空を超え壮大に広がっていきます。

日本的情緒にあふれた美しい筆致と、まぎれもないセンス・オブ・ワンダーを感じられるおすすめの名作です。


 

壮大な世界観の中で進むおすすめSF小説

『新世界より(貴志 祐介)』はアニメ化もされたおすすめの人気SF小説です。舞台は1000年後の日本。

どこか過去にタイムスリップしたかのような豊かな自然に囲まれた舞台ですが、そこに暮らす子供たちは「神の力」と称される念動力(サイコキネシス)の技を磨いています。

隠されている先史時代など、ファンタジーのように練られた世界観が展開していく名作長編小説です。2008年に日本SF大賞を受賞しました。


 

寓話的なタイトルが美しいおすすめのSF小説

SF小説には、美しいタイトルが多く見受けられますが、『アリスマ王の愛した魔物(小川 一水)』もそのうちの1冊ではないでしょうか。

たぐいまれなる計算能力故にすべてを計算でとらえる王様が主人公の表題作をはじめ、人間ではない機械との交流を描いた作品や自動運転をテーマにした作品など全5編が収録されたおすすめ短編集です。


 

民俗学を取り入れたおすすめの短編SF小説

『アメリカン・ブッダ(柴田勝家)』は、SFと民俗学を融合させた作品が収録された全6編のおすすめ短編小説集です。

表題作は、荒廃した近未来のアメリカに仏陀を信仰しているインディアンが現れるというストーリー。

ほかに、VRの世界で一生を過ごす少数民族が描かれる名作「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」や、南方熊楠を主人公とした「一八九七年:龍動幕の内」があります。


 

繊細で美しい描写がおすすめの短編SF小説

続いてのおすすめSF小説は、2020年版SFが読みたい!国内部門1位に選出された『なめらかな世界と、その敵(伴名練)』です。

全6編の短編集で、それぞれが異なる文体やスタイルになっているので、お得感があります。

脳科学をテーマにした先品や歴史の改変、パニック系に架空のSF小説とバラエティ豊かです。

繊細で美しい世界が広がっていくおすすめの名作と言えるでしょう。


 

想像しえぬものが想像されたおすすめSF小説

『零號琴(飛浩隆)』は2019年版SFが読みたい!国内部門1位のおすすめSF小説です。

デビュー以来数々の日本のSF小説賞を受賞してきた作者が16年ぶりに発表した長編2作目としても話題を集めました。

奇才による緻密な世界観に煌びやかなネーミング。巨大な古の楽器が奏でる音楽を、文字で表現するという挑戦にも心惹かれます。

「想像しえぬものが想像された」という帯のキャッチコピーも名作です。


 

異世界描写に引き込まれるおすすめSF小説

2020年版SFが読みたい!国内部門2位に輝いた『宿借りの星(酉島伝法)』も、おすすめの名作SF小説です。舞台は遥かな未来の惑星。

人類を滅亡させた殺戮生物たちが暮らす世界で、異種間のバディが成立するというセンス・オブ・ワンダーは、まさに日本のSF小説界の鬼才と言えるでしょう。

人ならざるものの放つ人間性には深く考えさせられます。同じ作者の短編集『皆勤の徒』もおすすめです。


 

仕事とは何かを考えさせられるSF小説

『タイタン(野﨑まど)』は、人間とAIが共存する社会を舞台にしたエンタメ系名作SF小説です。

至高のAIと称される「タイタン」が、人類の代わりに仕事に励む社会。

ところが、「タイタン-コイオス」が機能不全に陥り、人間からのカウンセリングを受けることになるのです。

読後感には個人差もあるでしょうが、あまり爽快ではありません。

「イヤミス」というジャンルがありますが、こちらは「イヤSF」と言えるのではないでしょうか。


 

現実と地続きのおすすめサスペンス系SF小説

『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル(竹田人造)』は、第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞のおすすめ作品です。

近未来に起こりうるテクノロジーの発達した社会が舞台となっています。

武装ドローンや行動傾向分析システム、AIなどが登場する世界で、現金輸送車の襲撃が企てられるという、近未来クライムサスペンスの名作です。


 

 

おすすめのSF小説《海外》

センス・オブ・ワンダーがある不朽のSF小説

続いては海外の傑作SF小説をおすすめしていきましょう。こちらも数を絞るのが困難なほど、多数の面白い作品があります。

まずは、ランキング常連の古典的名作をどうぞ。

『星を継ぐもの(ジェイムズ・P・ホーガン)』は、月面で発見された宇宙服に包まれた死体と木星の衛星ガニメデで発見された宇宙船が謎を呼ぶSF小説でありミステリーでもある名作です。

3部構成の1作目なので、続編もぜひ読んでみてください。


 

 

「人間とは何か」を訴えるおすすめSF小説

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(フィリップ・K・ディック)』は、海外SFの金字塔ともいえる有名な作品です。

映画『ブレードランナー』の原作としても有名で、スタイリッシュなタイトルに魅了された人も多いのではないでしょうか。

舞台は第三次世界大戦後の荒廃した地球。

人間とアンドロイドの違いを通し、人間とは何かという哲学的な問いを深く考えさせられるおすすめの名作です。


 

夏になると再読したくなるおすすめSF小説

海外SF小説ファンにとって、『夏への扉(ロバート A ハインライン)』はかき氷や風鈴、花火大会に盆踊りのような夏に欠かせない作品です。

夏になると読み返す人も多いのではないでしょうか。タイムトラベルものの古典的名作です。

2021年6月に映画も公開されたので最新ランキングにも入っています。

なんといっても、猫のピートのキャラクターが魅力的。さらに、作品の根底を貫く「人を信じること」が響いてきます。


 

「時間」という概念を超えるおすすめSF小説

長編小説は苦手、という人には短編集もおすすめです。

読み手を選ぶSF小説とも称される『あなたの人生の物語(テッド チャン)』は、地球を訪れたエイリアンと言語学者との交流を描く表題作、降臨した天使がもたらす災厄と奇跡が描かれる「地獄とは神の不在なり」など、8編が収録されています。

表題作は『メッセージ』というタイトルで映画化もされました。同じ作者の最新作『息吹』もおすすめの名作です。


 

命に対する優しさを感じるおすすめSF小説

続いておすすめしたい『わたしたちが光の速さで進めないなら(キム・チョヨプ)』は、韓国の作家によるSF小説の短編集です。

作者は1993年生まれ。新しい感性によって創出される世界は、どこかノスタルジックな風景です。SF小説にあまりなじみのない人にも読みやすいでしょう。

寿命が短い異星人とのファーストコンタクトを描いた「スペクトラム」など全7編が収録されています。


 

ノーベル文学賞作家によるおすすめSF小説

海外のSF小説として『わたしを離さないで(カズオ・イシグロ)』もおすすめの1作です。主人公は、介護人であるキャシー。

彼女の視点で語られる黄金の子ども時代の回想から始まる物語は、静かに少しずつ隠されていた事実を読者に伝えます。

テクノロジーの発展による恩恵と神の領域に足を踏み込むことの恐ろしさ、そして人間のエゴを痛感させられる作品です。

作者の最新作『クララとお日さま』も見逃せません。


 

何度でも過去に挑戦する姿がおすすめSF小説

ホラー小説の帝王とも称されるスティーブン・キングの『11/22/63』は、過去改ざんを目指すタイムトラベルが描かれています。

誰もが知っているケネディ大統領の暗殺事件を防ぐために。キングの作品で繰り返し伝えられているメッセージ「人間愛」は、本作でも健在です。

作者の有名な作品の舞台となった町が登場するなど、往年のファンが喜ぶ仕掛けも満載。文庫本では上中下の3巻となるおすすめ長編小説です。


 

奇妙な子どもたちが描かれるおすすめのSF小説

『きらめく共和国(アンドレス・バルバ)』は、どこからかやってきた奇妙な子どもたちが町を蹂躙していくストーリーです。

理解できない言葉を操り、次第に暴徒と化していく子どもたちの姿が、ノンフィクションのような筆致で描かれます。

最終的に32人の子どもたちは一斉に死を迎えるのですが、その原因は何なのでしょう。

22年後に語られる真実には、驚かされます。牧歌的な表紙のデザインとは裏腹に奥深いおすすめ作品です。


 

続編が待たれるエンタメ系おすすめSF小説

続いてのおすすめ名作は『量子魔術師(デレク・クンスケン)』。

遺伝子操作によって驚異の量子解析力をもつ「ホモ・クアントゥス」詐欺師ベリサリウスがミッション・インポッシブルに立ち向かうエンタメ系スペースオペラ×コンゲームのSF小説です。

魔術師の異名を持つ主人公が選んだチームには、特異なキャラばかりが集まって、センス・オブ・ワンダーを感じさせる痛快アクションを繰り広げます。


 

宇宙の宮廷陰謀劇が楽しめるおすすめSF小説

『帝国という名の記憶(アーカディ・マーティーン)』は2021年8月に刊行されたおすすめ最新作。

宇宙を舞台に繰り広げられる宮廷陰謀劇という、スペクタクルなSF小説です。小国から大帝国の大使となった主人公が、赴任先で前大使の遺体を発見します。

複雑な人間関係と膠着した状況を切り開くことは容易なことではありません。

ニューヨーク生まれの作者は、ビザンツ帝国史で博士号を、都市計画でも修士号を取得しているそうです。


 

おすすめのF小説を手に取ってみませんか

日本と海外のおすすめSF小説をピックアップしました。

数多あるSF小説を選ぶのは至難の業ですが、古典的名作と最新作、長編小説と短編小説、ハードSFとライトSFなど、できるだけ幅広いテーマでSF小説初心者さんにも読みやすい作品を揃えています。

タイトルや表紙、作家やテーマなど、どこか気になる作品があればぜひ手に取ってみてください。

こちらもおすすめ☆

x