春を表現する言葉をご紹介!
日本には四季折々の美しい言葉がありますよね。俳句や身近なところでいえば、手紙などで触れることができます。新生活や新学期など、節目の季節でもある春。お世話になったあの人へ手紙を書いたり、挨拶にも使える日本の美しい言葉を使い、春を感じてみませんか?
今回は春を表現する言葉をテーマに「天気・時間・挨拶」の3つに分けてご紹介していきます。知っておくと少し大人でおしゃれな文章や対話にも使うことができますよ。では早速、春を表現する言葉をご紹介します。
春を表現する言葉《天気》
春の穏やかな陽射しを表した言葉「春うらら」
春の晴れた空から、穏やかな陽の光が照らす春らしい天候を表現しています。
うららという言葉は春の陽射しだけを表しているわけではなく、穏やかな心の様子も表している言葉です。
語源は、明るく穏やかな陽射しという意味の「うらうら」が変化した言葉だと言われています。
滝廉太郎作曲の「花」でも歌われているので、馴染み深い言葉と感じる方も多くいるかもしれませんね。
降っては止む春の雨を表した言葉「春時雨」
さっきまでは晴れていたのに急に雨が降り出し、また急に止むような春の天候を表現しています。
春時雨は春の季語ですが、使える期間は立春から桜などの花々が咲く前までです。
また、時雨という言葉自体は冬の季語で、晩秋から初冬に降ったり止んだりする雨を指しています。
花々が咲いたころに使う季語は「花時雨」という言葉になるので、覚えておきましょう。
春に吹く穏やかな風を表した言葉「春風」
春の強い風を表す「春一番」とは異なり、温かく穏やかな春の風を表現しています。春風の読み方は「はるかぜ/しゅんぷう」の2つです。
「はるかぜ」は日常の会話など身近な場面で使い、「しゅんぷう」は俳句などの文章で使われることが多くあります。
場面や状況で読み方が変わるので覚えておきましょう。暖かな風が肌に触れ、鳥のさえずりや草花の芽吹きを感じる、力強くも優しい言葉ですね。
ぼんやりとかすむ春の空を表した言葉「春霞」
晴れていてもぼんやりと見通しの悪い春の空を表現しています。
春は空が白っぽくかすんで見える理由は、気温が上がり水蒸気を含む空気が上昇気流により上空へのぼるためです。
また、水蒸気の他にも花粉やホコリ、黄砂などを含み舞い上がるため、よりかすんで見えることがあります。
花粉やホコリを含むという面は少し置いておき、春霞は春の空を表す象徴的な言葉と言えるでしょう。
春の雷を表した言葉「初雷」
立春の後に初めて発生した雷を表現しています。
初雷は別名「虫出しの雷」とも呼ばれ、穴の中などに隠れていた虫たちや生き物たちが雷の音に驚いて、思わず外に出る様を表した言葉です。
これは寒い冬が明け、冬眠している生き物にとって、春の訪れを知るきっかけになっていたと考えられています。
私たち人間も、自然からのメッセージをしっかりと五感で感じたいですね。
春を表現する言葉《時間》
明け方を表した言葉「春暁」
春の夜明け頃から朝方を表現しています。春暁といえば、詩人である孟浩然が詠んだ「春眠暁を覚えず」という出だしの漢詩は有名です。
春に眠っていると気持ちがよくて夜明けにも気がつかないという意味ですが、その経験をした方もいるのではないでしょうか。
心地の良い春の明け方を表す綺麗な言葉ですね。
強く光る陽射しに春風が輝く様を表した言葉「風光る」
春の強い陽の光が射し、光の中を風が吹くことで、きらめいているかのように見える様を表現しています。
季語では春が訪れ、期待や喜びを吹く風に乗せる想いもあるようです。
また、風光るに似た言葉で「春光」という言葉もあり、春光の方が穏やかな陽の光を表しているので使いわけましょう。
淡い春の夕焼けを表した言葉「春茜」
春の強調しない空に少しだけ茜の色が入り、柔らかな夕焼け空を表現しています。
春茜以外にも「春夕焼け」という言葉がありますが、どちらも同じ意味と考えていいでしょう。
一般的には、春夕焼けの方が俳句などでも使われる頻度が多いようです。春のかすんだ夕焼け空が目に浮かび、情緒のある言葉ですね。
日が暮れてまだ間もない頃を表した言葉「春宵」
陽が落ち、辺りが暗くなった時間帯を表現しています。
春宵を使ったことわざに「春宵一刻値千金」というものがあり、春の宵は趣きがあり、千金に値するという意味です。
元々は、蘇軾という詩人が詠んだ「春夜」の一部を由来としたことわざで、滝廉太郎が作曲した「花」でも歌われています。
春の夜にぼんやり見える月を表した言葉「朧月」
霧や靄などでかすんだ春の夜空に浮かぶ月が、ぼんやりと見える様を表現しています。
朧月は春にしか見られず、春以外に似た月が出ても朧月とは言わないので覚えておきましょう。
また、朧月は三日月や満月など形に関係なく使うことが出来ます。朧気に浮かぶ春の月をイメージできる、見事な言葉ですね。
春を表現する言葉《挨拶》
まだ少し寒さの残る春を表した言葉「浅春」
まだ冬の寒さを感じる春のはじめ頃を表現しています。
一般的に梅の開花が見られる2月下旬~3月中旬までに使われる言葉で、暖かい日が続く3月下旬からは使いません。
また、ビジネスでも使える言葉なので、3月に入ってすぐにビジネスメールなどを出す機会がある方は覚えておきましょう。
春に寒さがぶり返すことを表した言葉「花冷えの日」
桜の花が咲く時期に雨風が発生し、寒さがぶり返す春の天候を表現しています。
この花冷えの花は桜を指し、桜が咲き始めた頃から葉桜になるまでの期間に使われることが多いです。
地域にもよりますが、平年3月下旬~4月中旬までに桜が咲き、葉桜になるのでこの期間に花冷えという言葉を使います。
ビジネスにも親しい間柄にも使うことができるので覚えておきましょう。
春の暖かさを表した言葉「春暖」
寒い冬が去り、春の陽気な天候を表現しています。
先ほどの浅春などを含む、春暖のような単語の場合、同じ意味で「~の候」「~のみぎり」「~の折」の3パターンで使い分けることができるので、覚えておくと表現の幅も広がるでしょう。
この春暖は、ビジネスでも親しい間柄でも使うことができ、3月~4月頃に主に使われます。
春らしい時期を表した言葉「春たけなわ」
春真っ盛りの時期を表現した言葉で、主にビジネスメールや手紙などの挨拶で使われます。
春たけなわは4月頃のことを指している言葉なので、挨拶で使用する場合にも4月中旬頃までが適当です。
ただし、4月の下旬頃~5月頃になったら春も終わりに近づいてくるので、「麗春」などの言葉を使う方がいいでしょう。
もう少しで春が終わることを表した言葉「暮春」
春が終わるころを表現しています。暮春と同じ意味の「晩春」という言葉もあり、どちらも使える時期は4月上旬~5月4日頃までが一般的です。
また、ビジネス関係者や目上の方に向けて使うことが多く、親しい間柄の方には「過行く春を惜しみながらも、夏の訪れを楽しみにしています。」など、柔らかい表現でいいでしょう。
春を表現する言葉まとめ
春を表現する言葉という1つのテーマでまとめたものの、単語それぞれに意味合いや情景、天候、使う時期なども異なっています。昔から愛される日本の春の美しさや豊かな表現を、現代でも取り入れることで春をより一層感じることができそうです。
あまり使い慣れていなくて緊張するという方は、友人や家族などに手紙を書くのもいいですね。これを機に親しい間柄だからこそ、春の表現を使って、感謝や伝えたいこと想いを表現してみませんか。
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