わくわくするおすすめの旅小説20選。一緒に体験しているような気分になれる作品

旅をテーマにした作品は、紀行文や旅行エッセイといったノンフィクションだけではありません。世界中で移動が制限されている今、旅をテーマにした小説を読んで、心だけでも自由に好きな場所に行く体験をしてみませんか。

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わくわくするおすすめの旅小説20選。一緒に体験しているような気分になれる作品
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Sayang

ライター

イギリス人の夫と息子二人の四人家族です。動物好きで、犬と猫も飼っています。趣味は読書。インテリアやファッション、アートや文学など美しいものに心惹かれます。

旅小説を読んで自由な旅を心で楽しもう

旅をテーマにした作品は、紀行文や旅行エッセイといったノンフィクションだけではありません。

フィクションである小説では、日本国内や世界各地、あるいは宇宙や異世界といった様々な場所へ旅行するがあります。

世界中で移動が制限されている今、わくわくするような旅をテーマにしたおすすめ小説を読んで、心だけでも自由に好きな場所に行く体験をしてみませんか。

おすすめの旅小説《日本》

ユーラシア大陸の放浪旅を描く『深夜特急』

旅を描いた小説と言えば、バイブルとも称されるほど有名な『深夜特急 (沢木耕太郎)』を連想される方も多いのではないでしょうか。

ノンフィクションの風味が漂う大人気の紀行小説です。第1便と第2便は1986年5月に、第3便は1992年10月に刊行されたおすすめ作品です。

インドのデリーからイギリスのロンドンまで乗り合いバスで旅をしようと思い立つ主人公。1年以上にわたるユーラシア放浪旅が楽しめます。


 

 

留学生の旅を描く『村田エフェンディ滞士録』

『村田エフェンディ滞土録(梨木果歩)』は、2004年に出版されたおすすめの旅小説です。

時は1899年。末期のオスマン帝国に留学中の村田の生活と、日本に帰国後の様子が描かれます。

世界各地から集まった留学生同士の議論や、現地の人々との交流、そして村田が暮らす家で買われている鸚鵡に翻弄される日々。

異文化に対する村田の姿勢、明治維新に対する海外の視線、そして最終部。涙がこぼれます。


 

彼岸と此岸をたゆたう旅を描く『岸辺の旅』

2010年に発行された『岸辺の旅(湯本香樹実)』は、2015年には映画化もされた人気作です。

三年間失踪していた夫が突然戻ってきたかと思いきや、自分は既に死んでいると告げます。

そして、ピアノ教師を続けていた妻を思い出の場所を巡る旅に誘うのです。

混乱しながら旅に出る妻。二人の旅の目的と、迎える最後の時を思いながら心を重ねて読みたいおすすめの人気小説です。


 

人語がわかる猫との旅を描く『旅猫リポート』

2012年に『旅猫リポート(有川浩)』は、涙なしには読めない旅小説ではないでしょうか。

特に猫好きの人は、語り手である猫・ナナの思いが切々と伝わってくるはずです。

野良猫だったナナがどうしてサトルに飼われるようになったか、サトルはどうしてナナの新しい飼い主を探すのか。

講談社の青い鳥文庫、そして絵本にもなっているので、小さなお子さんにもおすすめの人気作です。


 

山登りという旅を描く『八月の六日間』

続いてのおすすめ人気小説『八月の六日間(北村薫)』は2014年に発表されました。

雑誌の副編集長をしている「わたし」が主人公。上司と部下の間に挟まれて、きりきりと働いています。

穏やかなパートナーとの別れ、何者でもなかった頃をお互いに知る友達との別れ。

いろいろなことが起こる人生の中で、「わたし」は一人で山に登ります。日常から離れられる場所であり、かつ地続きでもある山への旅を楽しんで。


 

タレントによる代行旅を描く『旅屋おかえり』

続いてのおすすめ小説『旅屋おかえり(原田マハ)』も、2014年に発行されました。こちらでは、ユニークな旅が描かれます。

旅をするのは、崖っぷちアラサータレントの「おかえり」。彼女の旅は、代行なのです。

依頼人のために、「おかえり」は満開の桜を見に行く旅や人探しの旅をします。

旅の行き先は、まさに全国行脚。その道中で、様々な出会いがあり気付きがあります。2022年にはNHKでドラマ化される人気作です。


 

春の夢のような不思議な旅を描く『夜行』

作品が次々とアニメ化されたり舞台化されたり、コミカライズされたりしている人気作家による『夜行(森見登美彦)』は、2017年に発行されました。

十年前に突然失踪した長谷川さんを思い再会した仲間たちは、それぞれが旅先で体験した不思議な話をします。

そこで判明するのは、1枚の絵にみんなが出会っていたという謎めいた事実。怪談×ファンタジーに青春がミックスされる旅小説です。


 

幽霊が続ける旅を描く『浮遊霊ブラジル』

『浮遊霊ブラジル(津村記久子)』は、2017年に発表された人気の短編小説です。

初めての海外旅行を前にして亡くなってしまった主人公が、旅への未練を抱えて浮遊霊になるというユニークな設定です。

町内会の知人をはじめ、スポーツ選手やお金持ちなどに取り憑いて国内外へと旅に出ます。表題作はこちらの短編集の最後に収録されている小説です。


 

故郷消滅後の旅を描く『地球にちりばめられて』

2018年に発表された『地球にちりばめられて(多和田葉子)』は、ヨーロッパを舞台にした人気の旅小説です。

ただし、単なる紀行小説ではありません。主人公は、デンマークに留学中のHiruko。留学中に故郷の島国が消滅してしまいます。

そこで、独自の言語を作り出し、自分と同じ母語を話す人を探す旅に出るストーリーです。境界の無い世界はフィクションの垣根を越えて胸に響きます。


 

異形の巨人の旅を描く『あやとり巨人旅行記』

『あやとり巨人旅行記(稲葉祥子)』は2021年9月に発行された最新の旅小説です。中には、四編の物語が収録されています。

タイトル作は、電線であやとりをするほどの巨人が、元バレリーナの妻と共に東西南北の各国を旅する物語です。

体が大きすぎてどこにもフィットしない異形の巨人は、移民や難民、「今ここ」になじめない人々の象徴でもあるのでしょう。


 

 

おすすめの旅小説《世界》

アマゾンの異文化旅を描く『密林の語り部』

続いては、海外作家によるおすすめの旅小説を見ていきましょう。

1987年に発表された『密林の語り部(マリオ・バルガス=リョサ)』は、ラテンアメリカを代表する人気ノーベル賞作家による旅小説です。

タイトルの密林は、アマゾンを指しています。ユダヤ人の青年が、都会を捨ててアマゾンの密林の中で未開部族の「語り部」となる物語。

彼が語るインディオの生活や信条を通して「物語」の意味を問う小説です。


 

 

静かで小さな旅を描く『軽い手荷物の旅』

『軽い手荷物の旅(トーベ・ヤンソン)』も、1987年に発表されたおすすめの旅小説です。

作者のトーベ・ヤンソンは、不朽の名作『ムーミンシリーズ』の生みの親。

世界中で人気のムーミン以外の小説の中で、こちらは12編の短編をまとめた1冊です。

どの作品も、旅をテーマにしている大人向けの物語になっています。全8巻の『トーベ・ヤンソン・コレクション』の1巻目です。


 

英国の老執事の回想と旅を描く『日の名残り』

1989年に出版されブッカー賞を受賞した『日の名残り(カズオ・イシグロ)』は、アンソニー・ホプキンス主演の映画化もなされた世界的人気作です。

失われていく「古き良き時代の英国」を、昔気質の老執事が田園地方への旅の途中で回想するストーリー。

長年使えたご主人様の栄光の日々と没落、女中頭への淡い恋心、アメリカ人の新しいご主人様への思いなどが語られます。

同じ作者の『忘れられた巨人』も旅小説です。


 

ベンガルトラとの漂流旅を描く『パイの物語』

2001年に発表された冒険小説『パイの物語(ヤン・マーテル)』は、2912年に映画化され第85回アカデミー賞で11部門にノミネートされ4部門で受賞を果たした人気映画の原作です。

インドで動物園を運営していた家族が、動物を連れ日本船籍の貨物船でカナダへ向かいます。

道中、海難事故にあい少年パイと4頭の動物が227日漂流するおすすめの旅小説です。


 

芸術を巡る旅を描く『ダ・ヴィンチ・コード』

2003年に出版された「ロバート・ラングレン」シリーズの第2弾『ダ・ヴィンチコード(ダン・ブラウン)』は、殺人事件と芸術の中に隠された謎を解き明かしていくおすすめ歴史ミステリー小説です。

旅がメインの小説ではありませんが、主人公たちが暗号を解くためにパリの観光地や教会を巡ります。

小説の読了後にそれらを巡る読者も多くいたほどの人気作です。


 

変わり果てた世界での旅を描く『ザ・ロード 』

『ザ・ロード (コーマック・マッカーシー) 』は2006年に発表されピューリッツァー賞を受賞したおすすめの人気作です。

2009年には映画化もされました。アメリカ南西部を舞台に、名前のない父親と息子が人間としての尊厳を失わずに南へと旅をします。

なぜなら、作中の世界では10年前に起きた大きな災いによって生き残った人々の多くが人食い部族になっているから。

異世界体験にもなる、旅するディストピア小説です。


 

はみ出し者の旅を描く『14歳、ぼくらの疾走』

『14歳、ぼくらの疾走: マイクとチック(ヴォルフガング ヘルンドルフ)』は、2013年に48歳の若さで早逝した作家によるおすすめ青春小説。

220万以上のベストセラーとなり、映画化もされています。主人公は14歳のマイク。

問題ありの家庭に育っているマイクが、ロシアからの転校生チックと共に車を盗んでベルリンから南へと旅に出ます。

道中での出会いと突然の幕切れ。旅の後のマイクの成長が胸に響く人気小説です。


 

裏切り者を始末する旅を描く『東の果て、夜へ』

『東の果て、夜へ(ビル・ビバリー)』は、2016年に発表され数々の賞を受賞した極上のミステリー小説です。

ロサンゼルスの犯罪組織に所属している15歳の少年・イーストが、ボスの命令に従って東へ向かうストーリー。

不仲の弟を含む少年4名が、裏切り者を始末するために200マイルの旅に出ます。

ロード・ノヴェルにしてクライム・ノヴェルの傑作と称されるおすすめの人気です。


 

元カノを思い出しながらの旅を描く『レス』

ピュリッツァー賞受賞作の『レス(アンドリュー・ショーン・グリーア)』は、2017年に出版された人気小説です。

主人公は、50歳目前の売れない作家。彼のもとに、9年付き合った元カノから結婚式の招待状が届きます。

出席したくない作家は、世界中の文学イベントを巡る旅に出ることを口実にしようと思いつき、アメリカのニューヨークからヨーロッパのベルリンやパリ、アフリカのモロッコ、そして日本の京都へと旅をします。


 

少年の成長と旅を描く『ひとり旅立つ少年よ』

『ひとり旅立つ少年よ(ボストン・テラン)』は、2018年に発表されたおすすめの人気ロード・ノヴェルです。

詐欺師の父親を殺害された十二歳の少年・チャーリーが、父の悪行を懺悔するために旅に出ます。

道中出会う人々とチャーリーの交流は、ひりひりと胸を打つでしょう。

「鮮血の暴力とリリシズム」というテーマが流れる旅小説であり、少年の成長を描く ビルドゥンクス小説でもあります。


 

旅の魅力が感じられる小説を楽しもう

日本、そして世界のおすすめ旅小説を見てきました。実際の場所を旅するストーリーだけでなく、ファンタジックな世界を旅する物語もあります。

海外小説では、ロード・ノヴェルとクライム・ノヴェルが融合したスタイルも人気です。

家にいる時間が長くなっている今こそ、旅の魅力が伝わる旅小説を読んで想像の翼を広げてみませんか。

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