今回はあやめの花言葉についてご紹介します。爽やかな初夏に紫や白といった花を咲かせるあやめ。
涼し気な寒色系の花は、色とりどりのチューリップやバラなどに比べ華やかさはありませんが、その凛とした佇まいに魅了される花好きの方も多いようです。
あやめの花は、初心者でも育てやすくガーデニングにも人気の花。各地の公園などにも植えられているので、気軽にあやめを見に行くこともできます。
そんなあやめの花ですが、ネットで検索すると花言葉に怖い意味があるという噂も…。実際にどのような花言葉があるのか、見ていきましょう。
あやめについて
5月頃になるとユリによく似た美しい花を咲かせるあやめ。
春にはほかにもたくさんの花々が咲いているため、紫や白といった寒色系の花を咲かせるあやめは少し目立たない存在かもしれません。
とはいえ古くから日本に自生していて観賞用として親しまれてきたあやめは、初夏の訪れを感じさせる花であり、その美しさから女性の名前としても使われています。
あやめの名前の由来
あやめの名の由来には諸説ありますが、あやめのまっすぐに伸びた細い葉が、縦に並んでいる様子が文目(あやめ)模様に見えるからという説や花弁の根元の部分に網目状の模様があるからという説がよくいわれているようです。
また、あやめは漢字で「菖蒲」と書くことから、端午の節句に使われる菖蒲(しょうぶ)と同じ植物だと思っている人がいるようですが、菖蒲とあやめは全くの別物。あやめの葉が菖蒲の葉に似ていることからこの漢字が使われたのではないかといわれているようです。
あやめの特徴
あやめは、アヤメ科アヤメ属の多年草で、和名をあやめ(菖蒲)、英語ではIris sanguineaという名がついています。
背の高さは30cm~60cmと低く、細い葉が縦にまっすぐ伸びているのが特徴です。
花弁は、内側と外側に3枚ずつついていて、一つの茎から1~3輪ほどの花をつけます。
開花の時期は、5月~7月。多年草なので毎年美しい花を咲かせてくれます。
あやめは畑のような乾燥地で育てるのに適しているうえ、寒さや暑さにも強いので、低地から高山まで様々な場所で栽培されています。
そのため、日本でもガーデニングに取り入れる人が多いあやめの花。肥料や水やりの手間はありませんが、夏の時期には害虫が発生することがあるので、注意が必要です。
あやめの花言葉
あやめの花言葉は「良い便り」「メッセージ」。これは、あやめの花の英名である「Iris」にまつわるものといわれています。
「Iris」とはギリシャ神話に登場する女神イリスのことで、神様のメッセージを人間に伝える役割をしていたといわれています。
また、このほかにも「希望」や「愛」、「あなたを大切にします」といった前向きな花言葉が並んでいます。
また、西洋でいわれているあやめの花言葉は「message(伝言)」のほかに「hope(希望)」や「friendship(友情)」といったものもあります。
実はこの「hope(希望)」と「friendship(友情)」もイリスに深く関係しているよう。
ギリシャ神話の最高神であるゼウスに好意を寄せられたイリスが、ゼウスの妻であるヘラに助けてもらいながら彼のもとから逃げたことからこれらの花言葉がついたそうです。
あやめの色別の花言葉
紫
あやめの花の中でも最もポピュラーなのが青みがかったような紫ではないでしょうか?
紫のあやめには、あやめ全般の花言葉と同じ、「良い便り」や「メッセージ」といった意味があります。
美しく気高い花を咲かせる紫のあやめは、プレゼントにもぴったり。
入学祝いや快気祝いなどに花言葉を添えてプレゼントしても喜ばれそうですね。
白
白いあやめには、「純粋」「優しい」といった花言葉があります。
さらに「あなたのことを大切にします」という意味もあるので、意中の人にプレゼントするのにもぴったりです。
清楚で女性らしく柔らかい印象がある白いあやめの花なので、女の子の名づけの際に使うのにもぴったりな花言葉です。
黄色
黄色いあやめの花言葉は「幸せをつかむ」「信じる者の幸福」「燃える思い」です。とはいえ、じつはあやめには黄色の種類のものがありません。
黄色のあやめといわれているのは、イエローアイリスやキショウブと呼ばれる同じアヤメ属の花です。
あやめのなかでも暖色系である黄色いあやめは、見ているだけでもポジティブな気持ちになれそうですね。
金運アップにもいいといわれている黄色なので、イエローアイリスの咲くスポットに出かけてあやめから幸せなオーラをもらってくるといいかもしれません。
実は怖い?イエローアイリスの花言葉
イエローアイリスには、実は「復讐」という花言葉もあります。
由来はよくわかっていませんが、繁殖力の強いイエローアイリスが一緒に生えているほかの植物の場所まで占領してしまう様子からついたのではないかともいわれています。
あやめとカキツバタの違い
皆さんは「いづれがあやめかカキツバタ」という慣用句を聞いたことがありませんか?
この言葉は、美しいものがたくさんあって優劣が付けられないという例えなのですが、実は、あやめとカキツバタはその姿がよく似ていて、混同されることが多いんです。
一見すると本当によく似ている2つの花ですが、カキツバタの方が背丈も花も一回り大きくしっかりとした印象です。
また、乾燥地で育つあやめに対し、カキツバタは水辺などの湿地帯を混んで生えます。
カキツバタの花言葉
カキツバタの花言葉は「かならず訪れる幸せ」「贈り物」「幸せはあなたのもの」といったものがあげられます。
花言葉の由来は、カキツバタの花の形が燕に似ていることからだそう。空を舞う燕が幸せを運んできてくれるなんてロマンチックな花言葉ですね。
また、乾燥地でもすくすく育つあやめと違い、水の多い場所を好むカキツバタ。その姿は、水辺でそっと愛おしい人を待つようにも見えますね。
あやめとハナショウブの違い
実は、あやめに似た植物がもうひとつあります。それがこちらのハナショウブ。
花言葉でご紹介したキショウブもハナショウブの仲間です。
ハナショウブは見た目があやめにそっくりなので、江戸時代くらいには同じものとして扱われていたよう。
しかし、高さが1mほどとあやめよりも大きく、花びらに網目模様ではなく黄色い斑点があります。
ハナショウブの花言葉
ハナショウブの花言葉は、「優しい心」「優雅」「あなたを信じる」といったものがあります。
この花言葉は、控えめにうつむき加減に咲く花弁や、すっと伸びた茎の美しい様子からきているのではないかといわれています。
また、花言葉の中には「忍耐」「諦め」といった少しネガティブな花言葉もあります。
こちらはハナショウブが湿地帯など水辺に生息することから、寒い冬に耐えるというイメージからついた花言葉ではないかと思われます。
あやめの花やあやめの言葉を使った作品
太平記
古典文学である「太平記」にもあやめの花が登場します。それは、鵺(ねえ)を退治した源頼政と帝から美女と名高い菖蒲(あやめ)御前のお話。
かねてから源頼政が菖蒲御前に恋心を抱いていたと知った天皇は、頼政に「菖蒲御前とそっくりの侍女11人と本物の菖蒲御前の中から本人を選び出すようにと命令します。
その時に頼政が詠んだのが「さみだれに 沼の石垣水こえて いずれがあやめ引きぞわづらう」という歌で、「いづれがあやめかかきつばた」の語源にもなっています。
どれも美しくて甲乙がつけがたいというこの言葉にいたく感心した天皇は、菖蒲御前を自ら選んで頼政のもとに連れて行ったそうです。
あやめの花言葉まとめ
あやめの花言葉をまとめてみました。初夏を告げる優雅で美しいあやめは、まるで日本女性のようでもあります。
素敵な花言葉を持つあやめは、大事な人へのプレゼントにもぴったりですね。
栽培も簡単なので、自分で育てるのはもちろん、各地にあやめの美しい公園もありますから、ぜひ近くで鑑賞してみてはいかがでしょうか。
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