回避依存症という言葉をご存知ですか?
回避依存症とはあまり世間に知れ渡っている言葉ではありませんので「回避依存症」という言葉自体を初めて聞いたという人も少なくないでしょう。
回避依存症は「症」という言葉が付いていますが、決して病気として認識されている訳ではありません。
どちらかと言えば「心理的な原因や理由」によって引き起こされるメンタル的要素の強い症状です。
ですから、治療法がある訳でもなく本人の意識次第で状況を改善することが必要となってきます。
今回は「回避依存症」の原因や回避依存症の男性・女性別の特徴、回避依存症の改善方法についてご紹介します。
回避依存症とは
回避依存症とは、自分の身に降りかかるかもしれない「傷つくこと」から必死に逃れようとする心理状態のことを表します。
回避依存症の人は、自分が傷つくことへの恐怖から、恋愛に後ろ向きになってしまったり、恋人に冷たい対応をされると即座に攻撃態勢に入ったり連絡をシャットアウトするなど「傷つくかもしれない自体」に敏感に反応してしまう心理的症状です。
ですから、もしも恋愛相手が回避依存症であった場合は、対応や接し方への注意にかなり気を使うことになりますし、恋愛においてお互いにストレスが溜まりやすい状態になってしまう可能性があります。
回避依存症かもしれないと自分で気づいた場合には、ネガティブな思考の直し方や心理的ストレスへの改善策に取り組みましょう。
回避依存症の原因
回避依存症を引き起こしてしまう原因に、幼少時代の母親との関わりが大きく関わっているとされています。
物心ついた頃から「習い事も友達関係も自分に関わること全てを母親に管理・支配をされてきた環境」だったり「機嫌の良い時は甘えさせてくれるけど、機嫌が悪い時は口も聞いてくれない」というような、母親の気まぐれな愛情の受け方や接し方をされてきたということが挙げられます。
この世に生を受けて最初に人間関係を築くはずの「母親」との関係が上手く築けなかったために、人間関係を構築するのが苦手になったり、人と信頼関係を結ぶことに強い嫌悪感や恐怖心を抱えてしまうのです。
回避依存症の男性の特徴
回避依存症の男性には、いくつか共通する特徴があります。
回避依存の男性は、回避依存症の女性とは違って少し内向的であったり、人とのコミュニケーションをとることを避ける傾向にあります。
また、恋愛面においても攻撃的になることも多いことから、寂しいのは嫌なのに自分から寂しさを招いている状態に陥っている人が多く見受けられるのです。
ここでは、そんな回避依存症の男性の特徴について見ていきましょう。
特徴①恋愛関係が発展すると急に距離をおく
回避依存症の男性は「いいな」と思う女性がいても、自分から近づくのが怖いという気持ちの面での距離をとってしまうようです。
もしも相手の女性が自分に対して、興味や好意を抱いていることを知ったとしても「人間関係や恋人との信頼なんて築けるはずがない」などとネガティブな気持ちが先走ってしまう傾向があり、距離を置こうとするのです。
ですから恋愛関係が上手くいっていたにも関わらず、女性が自分に対して不適切な発言をしたり、不快に感じる対応をされると「やっぱりダメだ」と、急に音信不通になったり冷たい接し方で距離を置かれるといった特徴があります。
特徴②気持ちを頻繁に確認してきたり束縛気味
回避依存症の男性に多く見られる特徴に「好きかどうかの気持ちの確認を頻繁にする」または「女性に浮気をされないか心配なので、ついつい束縛気味な接し方をしてしまう」ということが挙げられます。
回避依存症の男性は「自分は幸せになれない」だとか「いつかきっと捨てられる」というネガティブな思考を持つという特徴がありますので、必要以上に相手を試すような発言や、束縛気味な行動に出てしまうのです。
相手に依存しやすいといった特徴もあるので、不必要な束縛なんてせずに「自分と相手を信じることが回避依存症の改善や直し方となる」ということを理解しましょう。
回避依存症の女性の特徴
回避依存症の女性は、回避依存症の男性とは違って「社交的なタイプが多い」という特徴があります。
回避依存症の女性に多いのが、寂しい時間を極端に嫌がるということや、一人の時間をどう過ごしたら良いのかわからないといった心理状態の人が多いです。
殻に閉じこもりがちな回避依存症の男性と大きく異なる特徴ですが、回避依存症の男性・女性に共通しているのが「人と信頼関係を築くことに不可能さを感じている」ということです。
ここでは、回避依存症の女性の特徴について見ていきましょう。
特徴①モテる女性が多くデートも多い
回避依存症の女性は、一見すると華やかで綺麗にしているモテるタイプが多いという特徴があります。
社交的で愛嬌がある女性が多くモテるので、週末になると誰かしらとデートをしていることも大っぴらにしているでしょう。
しかし、このようなモテる女性の交友関係の広さは「一人で過ごすのが寂しい、寂しいのは嫌だからデートをする」という心理状態が原因となっています。
自分自身の寂しさを埋めるために、自分を必要としてくれる男性とデートをして過ごすことを好みます。
ですが、相手との仲が深まってくると回避依存症の男性同様、急に距離をおくなど「浅く広い人間関係」しか築けないのも回避依存症の女性の特徴のひとつです。
特徴②男性に依存する傾向が強い
回避依存症の女性の特徴の中に「男性に依存しがちなタイプが多い」ということがあります。
回避依存症の女性は、一人の寂しい時間を極端に嫌がり「必要とされたい」という心理状態から、自分に好意を示す男性に安心感を感じてしまうのです。
ですから、自分が必要とされていると感じている内は楽しく恋愛やデートをすることができますが、もしも男性に悪意や変な意図がなかったとしても、男性の些細な言動をきっかけに「もう私は必要とされていないかも」と感じると、回避依存症の女性はスッと身を引いてしまうのです。
今まで重ねてきたデートの回数や、連絡を取り合っていたことがまるで無かったことのような対応をされるので、相手の男性はかなりびっくりしてしまうことでしょう。
回避依存症の診断チェック
男性・女性ということを問わず「回避依存症」の人に共通していることが「人と密接な関係になるのに強い不安や抵抗がある」「恋愛なんていつか傷つけられて終わるもの」「人なんて信じられない」という考え方です。
誰でも落ち込んでいる時や、人生や人間関係に行き詰まっている時は陥ってしまいがちな思考の仕方ですが、回避依存症の人は「いつだってこのような考え方」なのです。
思考のベースが「人間不信」なので、回避依存症の気質がある人は、ぜひチェックしてみることをおすすめします。
チェック①心理状態が不安定な時が多い
自分やパートナーが回避依存症であるかもしれないというチェックポイント1つ目は、バランスの取れない不安定な心理状態の時が多いということです。
一般的な人でしたら、嫌なことがあったら落ち込みますし、それにきちんと対応して改善策を見出そうという思考に落ち着きます。
ですが、回避依存症の人は根本的な考えが「人なんて信じない」「信じても傷つくだけ」だという考えを抱えていますので、常にネガティブな思考回路に陥っている心理状態なのです。
もしも対人関係に対してネガティブな考え方しかできないようなら、回避依存症の気質があるのかもしれません。
チェック②人に冷たい態度をとられるとすぐに逃げ出したくなる
回避依存症の人は、とにもかくにも自分が傷つくことに対して敏感になる傾向があります。
いくら2年や3年といった長い年月をパートナーと過ごしていたとしても「今この時」の状況でしか物事を判断しないといった特徴があります。
ですから、例えば恋愛関係にあるパートナーに「今は仕事が忙しいし、信頼関係もあるだろうから多少は放っておいても大丈夫だろう」だとか、冗談でも「最近女を捨ててるよね」といったそっけない接し方をされると、回避依存症の人は「捨てられるかも」「自分を傷つけるはずだ」と、途端に関係を放り出して逃げてしまいたくなってしまいます。
人間関係をすぐ放り出したくなるにチェックが付く人は、要注意です。
チェック③恋愛体質な人が多い
回避依存症のチェック項目3つめは、恋愛依存の傾向が強いということです。
回避依存症の人は「自分を必要としてくれる人の存在」を強く求めています。
なぜなら、人との信頼関係を築けないとわかっていても、人並み以上に「しっかりとした信頼関係を築ける人を欲しているから」です。
ですから、自分の弱さや寂しさ、苦しみ全てを包み込んでくれる人を求めてさまざまな人の間を渡り歩く人が多いといった特徴があるのです。
もしもあなたが「自分を愛してくれる人」を強く強く欲している心理が根底にあるのなら、回避依存症の傾向があるのかもしれません。
「回避依存症」には症状の治療法があるの?
回避依存症は、病気とカテゴライズされている訳ではありませんので、特別な治療法が定義されているものではありません。
あくまでメンタル的、心理的要因によって引き起こされる症状だと考えられている症状です。
ですから、治療とは言えなくても回避依存症の直し方で最も効果的なのが「傷つくことを恐れない思考回路」をどれだけ構築できるか、ということでしょう。
また「この人には裏切られても構わない、どれだけ傷ついたってこの人じゃないとダメ」だと思えるくらいに愛せる人を見つけるというのも、回避依存症の直し方や改善方法のひとつです。
あなたが回避依存症だったら
回避依存症チェックの結果、もしもあなたに回避依存症の傾向や気質があると判断した場合には、一体どうしたら良いのでしょうか。
もちろん病気ではないのでそこまで不安に感じなくても良いのですが、人と信頼関係を築けないということは人間社会で暮らしていくにはあまりにも不便なことですよね。
より満足感のある、心理的に満たされた人生を送るためには「人との信頼関係の構築」はとても重要なものとなってきます。
ここでは、もしも自分が回避依存症だと感じた時にやっておきたい対策をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
「回避依存症」の事実ときちんと向き合う
回避依存症チェックで「自分は回避依存症かもしれない」そう思った時は、回避依存症の傾向があるという事実をきちんと受け入れ、それにしっかりと向き合うことが大切になります。
もちろんあなたの考え過ぎで、実際には回避依存症ではなかったとしても「人との信頼関係に対して何か思うところがある」と感じているのでしたら、なぜそのような考え方をしてしまうのか、どうやって改善していくかなどの思考回路の直し方をしっかりと考えていく必要があります。
人との関係がスムーズになれば、きっと今よりも人生が豊かになるはずです。
原因と直し方への理解を深めるのが症状改善の第一歩
自分に回避依存症の気質があると感じた時には、回避依存症の直し方や根底にある原因への理解を深めることをおすすめします。
回避依存症のような「人間関係に対してネガティブに構えてしまう」ことには、一体何が原因だったのでしょうか。
母親との確執が原因でしょうか、それとも過去の恋愛で深く傷ついてしまったことが原因でしょうか。
自分の心理状態を苦しめている原因を理解して取り除いてあげることが、回避依存症の直し方や改善方法の手がかりになるのです。
自分自身を今一度見つめ直す機会でもあるので、ぜひ回避依存症の原因となる「根底にある部分」に向き合ってみませんか?
パートナーが回避依存症だったら
もしもあなたのパートナーに回避依存症の傾向があった場合、お付き合いをしているあなたにとってはとても不安に思ってしまうのではないでしょうか。
回避依存症の人の考え方や心理は、一般的な人からすると「そこまで深く考えなくてもいいのに」と思ってしまうことばかりでしょう。
ですが、回避依存症の人にとっては些細なことでも大問題なのです。
ここでは、自分のパートナーが回避依存症だった場合の注意点をご紹介します。
どんな時にも温かい接し方を心がけて
回避依存症の人は「傷つきたくない」「傷つく可能性があるなら恋愛なんて捨ててしまおう」という考えが特徴的な心理状態です。
回避依存症の人は「傷つけられるかもしれない」と感じると、例え今まで一緒に過ごしてきたパートナーでさえ敵視してしまう傾向にあります。
ですから、もしもあなたが回避依存症のパートナーと別れたくない、今後もずっと一緒にいたいと思う場合には、どんな時でも温かい接し方を心がける必要があります。
例えば、もしも喧嘩をしてしまった時には、時間を置かずその場で解決させるようにする。自分はあなたと向き合いたいんだということをしっかり伝え、回避依存症の人の考え方に引っ張られないように「自分をしっかり持つ」などの注意が必要です。
突き放された時の対応の仕方に注意する
回避依存症の人は、傷つくかもしれない事態が怒る前にそこから逃げ出そうとする傾向があります。
例えば、パートナーと喧嘩をした時にはサラリと「別れた方がいいかも」という言葉を頻繁に口にします。
この言葉の本意は「傷つく前にこの恋愛を投げ出したい」という心理状態からきているものです。
ですから売り言葉に買い言葉で「勝手にしたら」なんて冷たい対応をすると、回避依存症の人は本当にアッサリ恋愛を放り出してしまうでしょう。
例え喧嘩中で感情的になったとしても「突き放されてもこちらから手を離さない」「別れたくない」ということを貫くことで、回避依存症の人の心も動くのです。
回避依存症を理解して向き合おう
回避依存症とひとえに言っても、その特徴やネガティブ具合には個人差がありますし、対応の仕方や接し方もさまざまです。
ですが、回避依存症の人に共通して言えることが「回避依存症の人は傷つけられるのが怖い」のです。
自分が傷つくことに対して強い不安を持っているので、傷つくかもしれないから恋愛はしたくないだとか、いつか傷つけられるかもしれないから人は信用しない、といったネガティブな考え方をしてしまうのです。
回避依存症は、本人にとってもとても辛く寂しいもの。
回避依存症を理解してしっかりと向き合うということが、回避依存症の改善方法の道標なのです。
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