リノベーションで断熱性・気密性を高める!メリットから方法・費用目安まで解説

最近、新築住宅の注目キーワードが「断熱性・気密性」ですが、リノベーションでこれらの性能を高めることはできます。今回は、断熱性・気密性を高めるメリットや、リノベーションの方法、費用目安についてお話しします。ぜひ参考にしてください。

公開日:

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

リノベーションで断熱性・気密性を高める!メリットから方法・費用目安まで解説
アバター画像

SHUKENRe

ライター

SHUKEN Re(シューケンアールイー)は、東京・千葉エリアを中心に物件探しからリノベーションの設計・施工・アフターサービスまで「素敵な暮らし」をご提案している会社です。 施工事例やお問い合わせはHPからご覧ください!

リノベーションで断熱性・気密性を高める!メリットから方法・費用目安まで解説

リノベーションで断熱性・気密性を高める!メリットから方法・費用目安まで解説

最近、新築住宅の注目キーワードが「断熱性・気密性」ですが、リノベーションでこれらの性能を高めることはできます。

しかし、まだまだそのメリットや方法について知らない方も多いかもしれません。

そこで今回は、断熱性・気密性を高めるメリットや、リノベーションの方法、費用目安についてお話しします。

家の暑さや寒さでお悩みの方はもちろん、より快適な住まいにしたい方も、ぜひ参考にしてください。

 

 

■ 高気密高断熱住宅とは?メリット・デメリットはある?

■ 高気密高断熱住宅とは?メリット・デメリットはある?

事例を見る:Case134「実家を住み継ぐ」

最近話題の「高気密・高断熱住宅」。でも、どうして高気密・高断熱住宅がいいの?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

高気密高断熱住宅とは、以下のような特徴を持つ住宅を指します。

  • 断熱性が高い
  • 気密性が高い
  • 隙間が少なく、隙間風など空気の出入りが少ない
  • 天井、床、壁に断熱材が十分入っているため、室温が屋外の温度に左右されにくい

では、具体的にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

メリット① 室温が快適な温度に安定しやすい

断熱性と気密性を高めるということは、外気温の影響を受けにくくなるということです。

そのため、一度空調機器で快適な温度に整えれば、比較的長時間その効果を保てます。

 

メリット② 部屋ごとの室温ムラがなくなり健康的

厚生労働省の調べによると、入浴時などのヒートショックで死亡する方は2018年に5398名もいたことが分かっています。

ヒートショックの原因は、急激な温度差による血圧の変動です。

高気密高断熱住宅ですと、外気温の影響を受けにくいため、室内の温度ムラを小さく抑えることができます。

また、ある論文によるとアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息が改善したと言うデータも出ています。(参考:健康維持がもたらす間接的便益(NEB)を考慮した住宅断熱の投資評価

これは、高気密高断熱住宅に欠かせない高性能換気システムによって、アレルギーの原因となるほこりなどが除去されることが理由と考えられています。

 

メリット③ 空調にかかるコストが削減できて省エネ

今のお住まいで、「夏場は一日中エアコンを付けっぱなしにしていないと暑くていられない」というお悩みを抱えている方も多いはず。

また、冬場には足元が寒くて辛いという方も少なくないでしょう。

高気密高断熱住宅なら、空調効率が高まるため、短時間運転させるだけで効果を維持できます。

光熱費の削減にもつながるため、地球環境への負荷が少ない省エネ住宅としても注目されています。

 

デメリット① 換気不足になる可能性がある

デメリット① 換気不足になる可能性がある

事例を見る:Case65「じっくり こっくり 味わい深く」

気密性が高いということは、それだけ空気の出入りが少ないことを意味します。

そのままでは換気不足となって、室内の空気が澱んでいく一方です。

住宅の気密性・断熱性を高める場合には、同時に24時間換気システムを導入しましょう。

ハウスダストが室内に溜まっていくことを防ぎ、外部から花粉やPM2.5などの物質が入ってくることを妨げられます。

〈関連コラム〉

“24時間換気システム”とは?リノベーションで後付けできる?メリットから気になる注意点まで解説

 

デメリット② 内部結露が起こる可能性がある

高気密高断熱住宅の弊害として最も大きな問題が、壁や床、天井内に発生する「内部結露」。

内部結露は、敷き込んだ断熱材に隙間があるとそこから空気(熱)の出入りが集中し、結露の原因となってしまう現象です。

壁や床、天井内に結露が発生すれば、カビが繁殖し健康被害につながる恐れがありますし、構造躯体の劣化を早めて、断熱材そのものの性能も落としかねません。

内部結露を防ぐ最も有効な方法は、「施工実績が豊富な会社へ任せること」!

見た目では分かりにくい断熱材の隙間を確実に塞げば、内部結露のリスクをかなり抑えられます。

 

デメリット③ コストが割高

新築はもちろん、リノベーションでも高気密高断熱仕様にするためには、高性能な断熱材を使わなくてはいけませんし、高い施工技術も必要です。

そのため、通常の工事よりも材料費・施工費はどうしても割高になってしまうでしょう。

ただし、その分光熱費が削減できることも忘れてはいけません。

断熱・気密リノベーションをする場合は、その家に何年住み続けるのかをシミュレーションしてコスパを確認してみましょう。

 

〈人気コラム〉

10畳のリビングダイニング実例|マンションの正方形や縦長の部屋のおしゃれなレイアウト

おしゃれな洗面所レイアウト23選|1畳〜3畳の収納方法、間取りの工夫を解説

リビングダイニング照明のおしゃれな実例|2つ以上を組み合わせる選び方、配置など紹介

ファミリークローゼットを“後悔”する人の理由は?失敗しないための間取りづくりから事例まで徹底解説

築40年の中古住宅は何年住めるか|スケルトンリフォーム・リノベ事例

 

■ 戸建住宅でできる断熱・気密リノベーションの方法は?費用はどのくらい?

■ 戸建住宅でできる断熱・気密リノベーションの方法は?費用はどのくらい?

事例を見る:Case31「素材の「そ」」

では、戸建住宅の場合にはどのようなリノベーション方法があるのでしょうか。

ここでは、一般的な工事内容について費用目安と共に紹介します。

 

● 壁内・床下・天井裏(小屋裏)に断熱材を入れる

外部に面した壁内や一階の床下、天井裏(小屋裏)に十分な断熱材を敷き込むことで、家を包み込むように断熱できます。

グラスウールなどの繊維系断熱材や、ウレタンフォームなどの断熱パネル、発泡ウレタンなどの吹き付け断熱材などがあります。

ただし、ここで重要なのは熱の出入り口となる隙間や、ヒートブリッジ・コールドブリッジを作らない点。

ヒートブリッジ・コールドブリッジとは、鉄骨のような熱伝導率の高い部材によって、熱の出入りを集中させ、結露をもたらす現象です。

性能を生かしきるためには、やはり知識や経験、施工実績の豊富な会社へ相談することが成功の秘訣となります。

 

【壁内・床下・天井裏への断熱材充填(グラスウール)】

1,000〜3,000円/㎡(内装仕上げや付帯工事別途)

 

【壁内・床下・天井裏への断熱材充填(ウレタンフォーム)】

1,000円〜4,000円/㎡(内装仕上げや付帯工事別途)

 

【壁内・床下・天井裏への断熱材充填(吹き付け発泡ウレタン)】

4,000〜6,000円/㎡(内装仕上げや付帯工事別途)

 

ポイント

吹き付け発泡ウレタンは施工費が高めですが、液体のウレタンを発泡させながら吹き付けるため、小さな隙間もできにくく、断熱性・気密性が高い工法です。

 

● 断熱サッシ・断熱ドアに取り替える

古いサッシは建て付けが悪く隙間が空いている可能性がある上に、サッシ本体やガラスそのものに断熱性はほとんどありません。

特に冬場は、屋外へ流れ出る熱の約50%が窓からとも言われています。

そのため、熱伝導率の低い樹脂製サッシと断熱性の高い複層ガラスに取り替えるだけで、窓辺がヒヤッとすることがなくなりますし、夏の日差しによる暑さも遮れます。(参考:YKK ap|暮らしを快適にする“断熱窓”

ただし、部屋にある窓を全て取り替えないと、断熱性・気密性の低い既存窓へ熱の出入りが集中し、その部分の結露がひどくなる場合もあるので気をつけましょう。

忘れてはいけないのが、玄関ドアです。

内部に断熱材が入った断熱ドアに取り替えると、ドア部分からの熱損失を防げるだけではなく、戸先付近から冷気が入ってくることもなくなります。(参考:YKK ap|玄関ドアの教科書

 

【樹脂製サッシ+断熱ガラスへの取り替え(腰窓サイズ、既存と同位置・同サイズの場合)】

200,000〜600,000円/箇所(周囲壁の復旧工事、その他付帯工事別途)

 

【断熱玄関ドアへの取り替え(片開きドア、既存と同位置・同サイズの場合)】

200,000〜600,000円/箇所(周囲壁の復旧工事、その他付帯工事別途)

 

ポイント

窓サッシや玄関ドアを取り変える際に、周りの壁を壊さず交換できる「カバー工法」という方法もあります。
ただし、既存の納まりによって施工できない場合もあるので、詳しくはリノベーション会社へ相談しましょう。

 

● 断熱ガラスに取り替える

比較的新しいお住まいの場合には、サッシが既に樹脂製になっているかもしれません。

その場合は、ガラスのみを断熱性の高いものへ取り替えるだけでも効果が得られます。

断熱ガラスは、2枚のガラスの間に空気層があり、それが断熱層として働きます。

空気層が真空になっているより性能の高いものもあるので、ご予算に応じて選んでみましょう。

● 断熱ガラスに取り替える

【断熱ガラスのみの取り替え(掃き出し窓サイズの場合)】

60,000〜70,000円/箇所

 

ポイント

ガラスのみの取り替えは費用を抑えられますが、サッシ本体の断熱性が低いとあまり効果が発揮されません。

あくまでも、比較的新しく劣化していないサッシの場合のみ有効です。

 

● 内窓を設置する

手軽で効果が大きいのが、内窓(インナーサッシ)を付ける方法です。

壁を解体せずに設置できるため、内装仕上げなどの付帯工事が必要ありません。

既存窓の内側にもう一つ窓を設置するため、その間が大きな空気層となって断熱性を高めてくれます。

ただし、こちらの場合も窓サッシ取り替えと同様に、部屋内全ての箇所をまとめて施工することが重要です。

 

【内窓の設置(掃き出し窓サイズの場合)】

80,000〜150,000円/箇所

 

ポイント

既存窓のサイズや形状、窓枠の幅によってはそのままでは取り付けができない場合もありますので、気になる方は専門家へ確認してもらいましょう。

 

● 気流止めをする

床下・壁内間の通気や小屋裏(屋根裏)、壁内の隙間を埋めることで、気密性を高められます。

湿気を含んだ空気が侵入してくることを防げるため、結露やカビなどの抑制にも効果的です。

ただし、壁内の気流を止める(隙間を埋める)ためには、ある程度広範囲で解体しなくてはいけませんし、小屋裏や床下に入って作業するためには、人の出入りできる点検口が必要です。

また、気流止めは全てを隈なくやることで気密性は高まるため、もれなく全ての箇所が確認できなくてはいけません。

そのため、ほとんどの場合はフルリノベーションやスケルトンリノベーションと併せて行います。

 

【気流止め(木造2階・30坪程度)】

500,000〜800,000円/一式(壁・天井・床の復旧工事別途)

 

ポイント

費用はかかりますが、最も効果的で精度の高い方法なため、フルリノベーションをする際には、ぜひ併せてご検討ください。

 

● 24時間換気システムを導入する

家の気密性を高めるデメリットとして挙げられるのが、「換気不足」です。

ハウスダストやシックハウス症候群の原因物質が室内に篭もりやすいため、これではいくら快適な温度に保てても心地よい生活は送れません。

建築基準法の改正によって2003年以降は新築住宅へ設置が義務化されていますが、既存住宅はその対象ではないため、併せて導入を検討してください。

おすすめなのが、給気も排気も機械によって強制的に行う「第一種換気」です。

熱交換器付きの設備を整えれば、排気から熱や湿気を取り出し給気した空気へ熱移動させられるため、真冬や真夏でも室温に影響がなく省エネになります。

より光熱費を削減したい方におすすめです。

 

【熱交換器付き第一種換気システムの導入(木造2階・30坪程度)】

400,000〜700,000円/一式(壁・天井・床の復旧工事別途)

 

〈関連コラム〉

“24時間換気システム”とは?リノベーションで後付けできる?メリットから気になる注意点まで解説

 

〈人気コラム〉

トイレのアクセントクロス失敗談から学ぶ上手な選び方|おしゃれな施工例を紹介

洗面所・脱衣所のおしゃれな壁紙リノベ実例|アクセントクロスの使い方と機能の選び方

玄関入ってすぐリビングの家|おしゃれなレイアウト実例、目隠しのアイディアを紹介

おしゃれなダイニングカウンターリノベ♪東京・千葉のリノベーション実例

寝室6~8畳の快適なレイアウトとは|おしゃれで動線もいい配置づくりのポイント

 

■ マンションでできる断熱・気密リノベーションの方法は?費用はどのくらい?

■ マンションでできる断熱・気密リノベーションの方法は?費用はどのくらい?

事例を見る:Case135「快適ひとり暮らし」

マンションの場合は、専有部分のみしかリノベーションできないため、どうしてもできることが限られてしまいます。

窓サッシや玄関ドアはもちろん、窓ガラスさえも共用部であるため、区分所有者個人で手をつけられないのです。

また、換気システムを新たに導入するために外壁へ穴を開けることも禁止されています。

ただし、全く何もできないという訳ではありません。

寒さや暑さでお悩みの方は、ぜひできる範囲で断熱・気密リノベーションを検討してみましょう。

 

● 壁内に断熱材を入れる

室内側から外壁のコンクリート躯体が見えるまで解体して内部に断熱材を入れます。

戸建住宅と同様に、ウレタンフォームなどの断熱パネルを敷き込む方法と、液状の発泡ウレタンを吹き付ける方法があります。

吹き付ける方法の方が隙間なく断熱性を高められますが、8階以上の部屋には高圧で液体を送り込むことができず施工できません。

 

【壁内への断熱材充填(ウレタンフォーム)】

1,000円〜4,000円/㎡(内装仕上げや付帯工事別途)

 

【壁内への断熱材充填(吹き付け発泡ウレタン)】

4,000〜6,000円/㎡(内装仕上げや付帯工事別途)

 

● 壁に断熱パネルを上貼りする

できるだけコストを抑えたい方におすすめなのがこちらの方法です。

既存壁の上に、石膏ボード付きの硬質ウレタンフォームパネルを貼り付け、その上から内装仕上げを施します。

解体費用が必要ない点はメリットですが、既存壁に新たにパネルを上貼りするため、どうしても部屋が一回り小さくなってしまいます。

 

【既存壁への断熱パネル上貼り】

40,000〜8,000円/㎡(内装仕上げ工事や付帯工事別途)

 

● 内窓を設置する

マンションの場合、外窓は共用部であるため取り替えできませんが、内窓を設置することは全く問題ありません。

ただし、ベランダなどに出る際には、2度窓を開けなくてはいけない点は把握しておきましょう。

 

【内窓の設置(掃き出し窓サイズの場合)】

80,000〜150,000円/箇所

 

〈おすすめコラム〉

70平米マンションリノベーション費用相場|安く抑えるポイントも

リノベーションの値段はどう決まる?マンション・一戸建て費用事例

リノベーションの坪単価はいくら?戸建て・マンション別リフォーム費用を紹介!

キッチン移動のスケルトンリフォーム・リノベーション実例

 

〈人気コラム〉

【施工事例】造作洗面台のおしゃれ空間|費用を抑えるコツを紹介

おしゃれなダイニングカウンターリノベ♪東京・千葉のリノベーション実例

壁付けキッチンで狭い間取りを広くリノベ|10~12畳のLDにいいキッチンの作り方【東京・千葉】

 

■ まとめ:断熱性・気密性を高めて快適な住まいに

住まいの断熱性・気密性を高めることは、空調にかかる光熱費を削減できるだけではなく、室温ムラを軽減し、快適な室内環境を整えることにつながります。

リノベーションというと、理想の間取りやおしゃれなインテリアデザインを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、ずっと住み続けるマイホームだからこそ、目に見えない性能も高めることが重要です。

「一体、どんなリノベーションをしたらいいか分からない」という方も安心してください!

私たち“SHUKEN Re”は、リノベーション専門店として今まで数々のフルリノベーションを手掛けてきた実績があります。

確かな経験と知識を活かして、快適な住まいを実現するためのリノベーションをお手伝いします。

物件探しから住宅ローンなどの資金計画、設計・施工、アフターメンテナンスまで丸ごとお任せいただける「ワンストップリノベーション」もご用意しています。

施工事例では、築年数の古い物件でもきれいに蘇った事例を多数ご覧いただけますので、お住まいの価値を維持・向上したい方は、ぜひ参考にしてください。

 

■ 断熱・気密リノベーションをご検討中の方はSHUKEN Reへご相談ください

■ 断熱・気密リノベーションをご検討中の方はSHUKEN Reへご相談ください

事例を見る:Case137「造作で思いどおりに」

東京・神奈川・千葉エリアで素敵な家づくりを目指すなら、リノベーション専門店のSHUKEN Reにご相談ください。

お客様一人ひとりに合わせたオーダーメイドプランで、もっと素敵に暮らしやすいマイホームづくりをお手伝いします。

たくさんのリノベをお手伝いしてきたスタッフがサポートしますので、家づくりのどんなご相談もお気軽にどうぞ。

恵比寿・世田谷・浦安の店舗での来店相談のほか、オンライン相談もご用意しています。

安心して快適な生活を送れる住まいにリノベーションしたいという方は、ぜひご連絡ください。

スタッフ一同お待ちしております。

 

こちらもおすすめ☆

x