本多さおりさん流「シンプルに暮らすコツ」とは?
引越しをきっかけに断捨離しなきゃ、と思っている人、多いのでは?
整理収納アドバイザーとして活躍する、本多さおりさんに、「シンプルに暮らすコツ」きいてきました。
(text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai)
モノを減らすと「手間も省ける」
本多さんのご自宅は、埼玉県にあるマンションの1室、50平米ほどの1LDK。ご主人と1歳になる息子さんとの3人暮らし。
リビングダイニングも、余計な家具がなくとてもすっきりしている印象だったが、見せてもらって驚いたのは、クローゼットの中身。これで夫婦2人分のオンシーズンの服はすべて収まっているという。
帰ってから自分のクローゼットと比べてみたけれど……反省しきりになってしまった。どうやったら、こんなにスッキリできるんだろう?
引っ越してきたのは去年の5月。その前に住んでいたのは古い団地で、40平米弱の収納も少ない部屋に二人暮らしをしていた。
そこで、年々持ち物をしぼっていくうちに、今のスタイルにたどりついたのだそう。
「しぼっていくと、あれ、ものってあんまりいらないんだなと。その狭い小さな家に住んでいたのが今となってはよかったなと思います。
管理する手間も省けるし、家事もしやすくなるし、片付きやすい空間だと、なんでも思い立ったときにすぐできる。片付けから始めなくていいんです」
納得しながら減らしていくのがポイント!
たとえば服なら、シーズンごとに見直しをするなど、一気に減らすのではなく何度も繰り返して少しずつ量を減らしていったという。
最初のジャッジでは残したけれど、しばらくたってから、残したこのCD、聴いてる?この服、着てる?と見直してみると、やっぱり必要じゃなかった、というものが出てくる。
それを繰り返すと、「本当にこれだけは手元に残したい」と思えるような、「自分に合うもの」がみえてくるのだそうだ。
「できれば最初からきびしくジャッジしたほうが劇的に減るかもしれないけど、自分の中で納得しないといい結果が得られない。
捨てなきゃよかったと後悔したり、リバウンドで買ってしまったり。何度も、納得しながらやる、というのはコツかもしれませんね」
本多さんのクローゼットのルール:「着てない現実と向き合う」
本多さんちのクローゼット。左右で夫婦の服を分けている。「モノがさっと取り出せる量にするのがポイントです」
引き出しの中も、すっきり一覧できて、着たい服がすぐ選べそう。
本多さんちのクローゼットは、さっと手にとって服が選べて、しまうのもらくちん。ぱっと手に取れる量にコントロールするコツは、ずばり「着てない現実に向き合うこと」。
毎シーズン、着なかった服を選別し、着なかった理由に向き合うと、だんだん自分の着る服の条件が見えてくる。
たとえば、チクチクする素材が苦手なら、インナーの素材に気をくばったり、自分の顔色に似合わないものは買わないようにすると、服が増えて困ることもない。
「上下にどの組み合わせを選んでも似合うのが条件。いま好きなスタイルは、白、紺、グレーのもの。
白のなかでも生成り、オフホワイトがあるけれど、生成り系は似合わないと気づいてからは、本当に真っ白ばかりを買うようになりました。ベーシックなスタイルだけど、本当に楽で気に入っています」
本多さんのお気に入りの服たち。どんな組み合わせでも似合うから、服選びにも時間がとられない。
本多さんちのキッチンのルール:「それ専用のモノ」を持たない
無印良品の収納で、狭くてもすっきり整理されたキッチン。無印の収納は組み合わせが自在でどんなふうにでも使えるのでお気に入り。
棚の中の食器も、「最低限これだけ」という量に整えられている。
この家に引っ越してくるとき、家中にちらばっているものを集めてきて、「これにしか使えない」というものを極力減らしたという本多さん。
それ専用のものを持たなければ、洗い物も減るし、自然と家事の手間も減っていくのだという。
「道具があると逆に「使わなきゃ」って思ってしまう。使ってない状態にあるものが嫌い。持っているのに使っていない、というのに罪悪感があるんです」
いま使っているキッチンツールはこれだけ。使用頻度の低いものは手放した。
本当に必要なモノだけが、すぐ手に取れる場所にある。自然と理想的なキッチンができあがっていた。
「引越しは、家中にあるモノの量を確認するタイミング」と教えてくれた本多さん。シンプルに暮らせば、家事もやりやすくなる。それって素敵な循環だとおもう。少し身軽になって軽やかな新生活を始めてみよう。
本多さんの新刊:
『赤ちゃんと暮らす~収納・家事・スペースづくり・モノ選び』(大和書房)
「この本では、私の妊娠、出産、息子が1歳を迎えるまでの育児と暮らし、収納や空間づくり(引っ越しも! )、モノ選びなどについて、すべて実体験をベースに、実験報告書のようなつもりで綴りました。」(「はじめに」より)
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