風と光を感じる狭小住宅
敷地面積が狭い土地に建てる小さな戸建て住宅の事を「狭小住宅(きょうしょうじゅうたく)」と呼びます。
以前は、「ウサギ小屋」などと揶揄された時代もありましたが、実は近年、海外でも暮らしやすい大都市を中心に狭小住宅が見直されています。
コンパクトなスペースであっても、視覚的な広がりを感じられるレイアウトやデザインを見ていきましょう。
視覚的な広がりとリズムのある三階建て住宅
タテの広がりを生み出す設計
「狭小住宅」には明確な定義はないようですが、一般的には15坪(50平方メートル)以下の土地に建つ住宅を指すことが多いようです。
今回は、27坪(およそ89平方メートル)以下の土地に建つ住宅をご紹介していきます。
こちらは、11坪(36.4平方メートル)の敷地に建てられた三階建て住宅です。床面積がコンパクトな分、タテに広がる空間をデザインしています。
それぞれの階で天井高をチェンジ
3階建て住宅と言っても、それぞれの階の天井高を均一にしないことで、リズムのあるおしゃれな空間を設計しているそうです。
1階と3階は低く抑え、その分家族みんなで過ごすリビングルームを配置した2階を1.5層分にボリュームアップ。
壁面にはボルダリングができるように、おしゃれなアート感覚で足場をちりばめている点もポイントです。
風通しの良いスキップフロアのある家
抜け感のある階段デザイン
続いてご紹介する住宅も、敷地面積が11坪(36.4平方メートル)です。
4層からなるスキップフロアというスタイルでデザインされた狭小住宅は、白を基調にしているせいか明るく開放感があります。
周囲に家が立ち並んでいる土地の為、吹き抜けで採光を確保しているそうです。
抜け感のある白い階段も、光と風を遮らない設計になっています。
セカンドリビングからの光と風
玄関から入って階段を上がるとダイニングキッチンへ通じています。そこからまた階段を上がるとリビングルームへ。
この画像の正面奥がリビングです。
さらにもう一段上がり、ダイニングキッチンのちょうど真上にあたるスペースが、セカンドリビングルームになっています。
高さがあるので、隣家の屋根越しに視界が抜け、風と光るが存分に楽しめるスペースです。
美しいアーチのある小さな家
中庭が生む光
こちらは、少し広めの敷地面積に建つ二階建て住宅です。敷地面積は70.80平方メートル。
家の前に面した道路から奥に向かって、エントランス、前庭、LDK、中庭、ユーティリティーそして寝室とゾーニングしています。
室内は、エントランスから徐々に天井が高くなっています。スペースとスペースの間は、おしゃれ度の高いアーチ状になっています。
スタイリッシュな二階空間
二階部分も、コンパクトなスペースながらスタイリッシュです。
アーチ状になった欄間部分の重なり具合や、シンプルな手すりがおしゃれな空間を演出しています。
一見すると、無機質で硬質な印象を与えるグレーの壁と天井は、天然素材に由来した日本の伝統的な左官技法で作られているそうです。
木目を活かしたフローリングや階段ともマッチしています。
ミニマムな平屋住宅
壁一面の窓からの光
続いてご紹介する木造平屋建築の戸建て住宅は、敷地面積72.07平方メートル。
エントランスからミニマムに細長く続くLDKは、片面が前面窓になっているので圧迫感がありません。
配置されている家具も、直線的なデザインを数多く取り入れています。
こちらの画像の手前にキッチンなどのユーティリティスペースがあり、その奥に寝室があるというレイアウトです。
ウッドデッキテラスとの高低差
LDKの窓の外は、ウッドデッキのテラスになっています。
こちらのウッドデッキは、リビングのフロアの高さに比べるとおよそ1メートルほど高く作られています。
こうすることで、リビングが一段下がったような印象を受けるでしょう。
「お籠り感」のある落ち着いた空間を演出する方法です。また、ウッドデッキの下は収納スペースになっています。
中庭と吹き抜けのある三階建て住宅
吹き抜けからの光
こちらは、敷地面積89.02平方メートルの三階建て住宅です。
住宅街では、周囲を建物に囲まれた敷地が多く、プライバシーを確保することも併せて考えなければなりません。
二階建て以上の戸建て住宅の場合は、吹き抜けを取り入れる事で空間に抜けのある余裕が生まれます。
吹き抜けにトップライトを設けているので、日差しも十分に差し込みます。
バスルームからも眺められる中庭
シンボルツリーを植えた中庭は、バスルームからも眺めることが出来ます。
中庭を挟んでダイニングキッチンと向かい合う位置にあるバスルームは、中庭に面した窓に対してバスタブをタテに設置しています。
季節の移ろいに合わせて色づいたり落葉したりするシンボルツリーを眺めながらのバスタイムは、心と体を十分にリラックスさせてくれるでしょう。
限られたスペースでも開放的に
限られた敷地面積に建つ、いわゆる「狭小住宅」でも、設計やデザインによって明るさと開放感を手に入れることは可能です。
ポイントは、視覚的な抜け。光と風を遮らずに家の中を通すような設計やデザインがおすすめです。
スペースを確保するために、3階建てや4層のスキップフロアにするアイデアも参考になるのではないでしょうか。
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